第11話 師匠を屈服させに行く
-side アイザック-
エクスカリバーさんが仲間になってから1ヶ月が経った。
魔物を倒し、料理をして薬を作りながら、最初の頃が嘘のように俺は順調にレベルアップしている。
今ではレベルは50を超え、とうとう勇者ラウル以上のレベルになった。
これはエクスかリバーさんに言われて判明した事だが、神様からもらった桃を食べた時に俺にかけられていた呪いが解け、俺自身のステータスを上げれるようになったらしい。
そして俺が作った飯は、他の人たちに対してはステータスアップの効果になるらしいが、俺自身や従魔が食べるとレベルアップできるそうだ。おかげで、ただでさえ強いゼディアがいまだにレベルアップし続けている。
そしてなんと、俺に呪いをかけていたのは師匠だと言うことが判明した。
『時は満ちた』
「ですね」
「分かったべ」
圧倒的なパワーを身につけた俺たちはこれから師匠のところへカチコミに行くつもりだべ。
……っと言っても隣の村なんだけれども。
♢ ♢ ♢ ♢ ♢
「ついたべ」
『カチコミじゃー!』
超絶ど田舎極まれりの村、羅巣断村。今思うと人が住んでいるだけ、俺が住んでいる村よりは大分ましだべ。ボロボロの家が並ぶ中、一際ボッロボロの家に向かう。
「師匠〜!」
「なんじゃ!?――って、アイザック!?」
「久しぶりだべ〜!」
師匠は仙人みたいなお爺さんだ。久しぶりに見た師匠は随分弱そうに見えた。
なんだ、これなら俺が相手するまでもないべ。
「ああ、お茶を用意してやるでな……少しそこに座って待っておれ……。ん?んんん??お主、レベルアップしているではないか!?」
「そうだべ〜!まさか俺に呪いをかけているとは、やってくれたな〜!師匠〜!」
「待て、待つのじゃ……!これには深いわけが……」
「またないべ〜!俺に屈するべ〜!」
「わっ!わかった!屈する!屈する!」
「はよ屈するべ〜!へっ!?」
ギロっと睨んだだけで、思ったよりあっけなく、屈してしまった。
これには流石の俺もびっくりである。ま、まあ……早く屈する分にはいいのか?
「はあ……全く、とんでもない弟子を持ったものじゃ。まさか、こんな短期間に呪いを解いてしまうとは」
「……はっ!まさか、呪いは俺への試練だったべか?」
「そのまさかじゃ!本来それは大人になってから解けるものなのじゃ!この村で生まれた子供たちはみんな膨大な力をうちに秘めているから、倫理観がしっかりするまではその力を制御しとくための呪いなのじゃ!」
「ほへー!」
そう言うことだったんだ。知らんかったべ。
「まあ……だが、自力で解いてしまったのなら仕方がない。隣にエンシェントドラゴン、後ろには真の聖剣を従えておるしな。もはや疑うまでもない。お主を一人前と認めよう」
「む?お主、私のことを知って……待てよ?まさか、英雄アーサーか?」
「うむ。そのまさかだ。久しぶりだなアーサーよ」
「なんと」
「ええー!!師匠、英雄だったの!?」
「そうじゃ。大昔、邪神を討伐したからそう呼ばれている」
知らなかった。まさか、師匠が英雄と呼ばれていたお爺さんなんて。
「聖剣エクスカリバー。我が弟子のストッパー役は頼んだ。もはやワシでは力不足」
「えっ……?私も無理ですが?」
「いやいやいや……そんなはずはないじゃろう。お主神々によって生み出された聖剣じゃろう?」
「その神々の聖剣に圧をかけ続けて屈服させた誰かさんの弟子がいるんですよ」
「まじ?」
「まじです」
2人は見つめ合い、しばし沈黙の空気が流れる。
えーっと、俺は何て声をかけてあげたらいいんだろうか?
『まあまあ、良いではないかお主ら。元はと言えば、アイザックが師匠に一人前と認められるためにここにきたんだろう?終わったなら、とっととずらかるぞ?』
「そ、そうじゃ!こんなところで寛いでおらず、さっさと行くのじゃ!」
「わわっ!」「ちょっ!」
ゼディアに外へ誘導され、俺とエクスカリバーさんは完全に師匠に家を締め出されてしまった。
「まあでも、確かにここへ来た目的としては満足だべ」
『ああ。まだまだお主らとは行ってみたいところが沢山あるからな。こんなところで、ぐずぐずしていられない』
「それもそうだべ!俺たちの冒険はこれからだ!!」
今日も天気は快晴である。絶好の冒険日和だ。
こんな日はお散歩ついでに、ラストダンジョンにでも行くか!
「……え?だから私のえげつない負担の話は?」
--ドッカン!バッカーーーーン!!
―――――――――――――――――――――――――――――――――――― ―完―
[作者コメ]
爆発オチなんてさいてー!
ということで、以上でこの作品は完結です。楽しんでいただけたら作者はとても喜びます。
正直全然もっと続けようかとも思ったのですが、ぶっちゃけてしまうと、カクヨムコン期間中前後新作公開しまくった結果、作品管理の手間が爆上がってしまっていたので、他作品に集中するため、一旦ここで完結とさせていただきます。計画が甘い꜀(˘꒳˘ ꜀)
書きたいものも書き切りましたので個人的には満足です!
一点、後悔だったのが、エクスカリバーさんが良いキャラだったのでもっと書きたいという点です。それは別作品(「学園最強の悪役令息」)で書こうかなと思っています。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました!
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