最終話:すべての神様と人類が平和でありますように。

昨夜は遊星にとっては記念すべき幸せでエッチな時間を過ごしたんだろう。

ふたりはラブラブがまだ収まらないまま朝を迎えた。

そしてその日、遊星は学校を休んだ・・・。

生き返ったばっかだし遊月をひとりマンションにおいて学校へ行く気にはなれ

なかった。


たいがいは同じ危機、同じ経験をした恋人同士はより繋がりが強くなるっていう。

きっとふたりもそうなったに違いなかった。


「遊月・・・今更だけど、ほんとに俺の彼女・・・恋人でいいの?」


「いいよ・・・遊星を、最初踏切で助けた時から私たちはきっとこうなる

運命だったんだよ 」


「うん・・・そうかもね」


遊星が学校をしばらく休んでいたので、唯一の友達が心配してやってきた。


「遊星いる〜?」


「あ、木之下・・・」


「遊星、めずらしく学校休んでたから様子見に来てやったわ」

「前に、おまえが休んだ時は来れなかったし・・・」


そう言って木之下は、キッチンにいる遊月をなにげに見た。


「あ、どうも〜・・・」


「あ、遊月ちゃんこいつ、俺のダチ、木之下」


「いらっしゃい遊星のお友達」


「遊星・・・・学校休んでおネエちゃんといいことしてたのか?」

「って、俺のところにも、おまえがおネエちゃんと暮らしてるって情報回って

きてたから驚きはしないけどな・・・けど本当だったんだ」


「なにバカ言ってんだよ・・・遊月は俺の妹だよ」

「俺の体調がよくなかったから、看病に来てるだけだよ」


「妹ね・・・それってよく使う手だよな・・・」

「俺の前で妹なんて誤魔化さなくてもいいぞ・・・ま、いいわ妹ってことで」


「あはは・・・だよな、妹ってな・・・俺もバカだな」


「クラスの女子にフられまくったお前が?こんな可愛い子、連れ込んじゃって」

「どうりで、おまえが休む前まで誰にも告らなかったわけだよな」


「そうだ、木之下・・・・おまえ時間あったら俺んちで焼肉食ってかないか?」


「俺の全快祝いにこの子とお祝いしょうと思ってたんだ」

「俺んちのベランダで焼肉パーティーしようぜ 」


「いいですね、遊星が無事生き返ったお祝いね」


「あのおネエさん・・・なにそれ?遊星が生き返ったって?」


「なんでもないです、お祝いはすべての神様と人類が平和でありますように

ってのでいいんじゃないでしょうか?」


「よく分かんねえけど、平和が一番なのはたしかですよね」


たしかになにかよく分からない木之下君だった。

でもって、その夜は三人焼肉パーティーで盛り上がった?のは言うまでもない?。


昨夜の遊月とのエッチの余韻を引きずったままの遊星は木之下が帰ったら今夜も

彼女に迫ろうと思っていた。

だからその夜もふたりはラブラブでシワせな時間を過ごした。

遊星のリクエストで遊月は巫女の衣装を来たままエッチに臨んだ。


そしてあくる日、遊月那姫ゆずきなひめ天宇受売命あめのうずめのところに異界転輪鏡と三日月丸を返しに高天原に来ていた。


「遊月、そなたどうしても人間界に留まるつもりか?」


「私のわがままをお許しください・・・今の私には遊星しかいません」


「おまえの彼氏は幸せ者だな」


「幸せなのは私も同じです」


「この度は色々お世話になり。ありがとうございました、感謝しています」

「私はもう高天原には帰りません、地上界に残って遊星と暮らします」

「お師匠様もお体にお気をつけてお元気で・・・」

「では、私はこれにて失礼します」


「時々でよいから彼氏を連れて遊びに来い」


「はい!!ありがとうございます」


遊月は嬉しそうに笑った。


遊星と遊月那姫は今となっては切っても切れない仲。

遊月は一生高天原に帰るつもりがないくらい遊星との繋がりは強くなっていた。


遊月那姫は遊星との愛と希望を胸に抱いて人間界に帰って行った。

そして大切な勾玉を遊星に渡した。


これからも二人の愛に満ちた生活は続いていくだろう、遊星が浮気さえしなければ。

でも男って生き物は時々魔がさす生き物だからね。

まあ、そんなことしたら遊月が許すわけないんだけどね。


ってことで後にも先にも人間と姫巫女が結びついたって話はどこの文献にも載って

いないのです。


遊星が死のうとした踏切の縁石に死神がタバコを燻らせなから座っていた。

もしかして誰か電車の飛び混もうとしてる人がいるのかな?

今度こそ邪魔者がいないから死神は新鮮な魂を持って帰ることだろう。


おしまい。





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