スク水年越し

スク水年越し

「スク水年越しをしよう」

「この寒空の下でスク水になるの？　馬鹿なの？」

「この真冬に夏を取り入れて暖を取ってだな」

「馬鹿なの？」

　こたつでぬくぬくしながら、ぐだぐだと話す。

「スク水で除夜の鐘をゴーンと」

「不審者で捕まるのと、凍死するのとどっちが先だろうね」

「凍死かなぁ……」

「12月31日が命日は嫌だな、しかもスク水で年を越そうとして死亡とか馬鹿な死因はもっと嫌だ」

「良い案だと思ったんだけどなぁ……」

「温かい家で温かい恰好で、年末を過ごせばいいじゃん」

「それだとなんか普通じゃん。スク水年越しをしよう」

「まだ言うか。そもそも、そんな簡単にスク水があると思うなよ」

「ここにある」

「あるんかい」

「これを着て除夜の鐘をつきに行こう」

「12月の末にスク水はいやだぁ」

　こたつでぬくぬくしながら、ぐだぐだと話す。

「あ、年が超える」

「スク水着る暇なかったぁ。スク水新年とかどう？」

「スク水から離れろ」

　新年になってもしばらくはこたつでぬくぬくしながら、ぐだぐだと話すだろう。