【体験談】蜘蛛の子を散らした話
チェーンカッター
第1話
子供の頃、南房総≪みなみぼうそう≫に住んでいた。
農家だった空き家を借りていたのだが、お風呂が薪≪まき≫で沸≪わ≫かす五右衛門風呂だった。
割った薪≪まき≫を乾かすため、小屋の軒下≪のきした≫に積んで置いたのを
風呂場に移動させていた。
背の高さほどに積んでいた薪≪まき≫がほとんど片付いたときに、白壁≪しらかべ≫(縦180cm横120cmくらい)の一面≪いちめん≫に大きな蜘蛛≪くも≫の巣があった。
よく見ると巣の真ん中に空豆≪そらまめ≫くらいの塊≪かたまり≫があった。
なんだろうか?と顔を近づけたときに……
1mmくらいのサイズの蜘蛛≪くも≫の子が、一斉≪いっせい≫に四方八方≪しほうはっぽう≫へ逃げていった。
洗剤≪せんざい≫のコマーシャルで、洗い桶に洗剤を≪せんざい≫1滴たらして、水面の油が一瞬で中心から周辺へ移動してしまうのを見たが、それに近い速さで蜘蛛≪くも≫の子は移動してしまった。
中心にあった空豆≪そらまめ≫ほどの塊≪かたまり≫は、蜘蛛≪くも≫の卵だった。
もう60年ほど昔のことだが、今でも衝撃的≪しょうげきてき≫なシーンとして覚えている。
なので私にとっての「蜘蛛≪くも≫の子を散≪ち≫らす」は、四方八方に形振≪なりふ≫り構≪かま≫わず一瞬≪いっしゅん≫で逃げて行く、というイメージだ。
【体験談】蜘蛛の子を散らした話 チェーンカッター @bow_guard
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