第6話 女魔王を助けた

「うわー!」

 気が付くとコウは、空から落ちていた。高度も分からない。かなりの時間滞空し、かつかなりのスピード、落下速度になっていると感じていた。雲をいくつも通り過ぎて、雲の合間に地上が、大地が見えた、かなり離れている、それがすごい速度で接近してくるのがわかった。それは錯覚で、自分の方が過ごすスピードで、どんどん加速度をまして大地に近づいているのだ、頭の中ではわかっていたが、とてもそんなことは実感できなかった。そして、大地に激突した、彼は。当然、周辺は大きく揺れ、大きな穴があき、土砂が俟った。全てが収まるまで時間がかなりかかった。


「痛かったよ~。」

は穴から這い出してた時、本当に高高度から落下してどうして無事だったのだろうか?と思った。"あの少年神・・・様が、慈悲でもくれたのかな?感謝しないとな、そうだったら・・・。"痛みはひどかったが、何とか動けた。

「な、何だお前は?」

と周囲に、魔族、武装した、が多数いるのがわかった。何故か、何となく彼らが貴族だと直感した。


 立ち上がるといきなり、大柄の騎士姿のブタ顔が、でっかい斧を振り落としてきた。

「へ?」

 その斧が、確かに肩の肉は斬ったが、そこで止ってしまって、動かなくなってしまった。

「痛いじゃないか?」

 その斧を握り、そのブタ顔を蹴りつけた、ジャイアント馬場の16文キックのように。ブタ男は遠く飛んでいった。

「痛あーい!」

と血を吹き出させつつ、体から引き抜いた。 

 その斧で、当たるを幸いに振り回して、襲い掛かってくる魔族達をなぎ倒しまくり始めた。

「あ、あの斧をどうして扱えるのだ。」

「あいつを、人間を主と認めたのか、あの斧は?」

「狼狽えるな。魔力が発動していないではないか。あいつは、仕えていない。あれは、今は魔装具ではない、単なるデカイ斧だ。魔導士隊、魔法攻撃だ!」

 すぐに至るとこから魔法詠唱が聞こえてきた。

 あの斧は魔斧でかなり格の高いもので、離れたところにも、その斬撃をつたえることができるし、魔法攻撃を弾くこともできた。しかし、その心配はなさそうだった。自身を持って詠唱を奏で、渾身の魔法攻撃を放った。


 色々な魔法攻撃が、斧を振り回す人間の男に炸裂した。直撃したのを見た。もしかしたら、跡形もなくなっているかも、と思った、誰もが。しかし、粉塵が収まると、

「痛いじゃないかー!」

という声とともに、自分達の目の前に、戦斧を持った男がいた。 

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現実世界で兄から全てを奪った俺は異世界でも無双する 確門潜竜 @anjyutiti

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