ツキアウモノ
暗黒神ゼブラ
ツキアウモノ
私、池本彩乃(いけもとあやの)は世間一般で言うところのイケナイこと……つまり浮気をしてしまった。
しかもその相手というのが彰(あきら)の妹の深雪(みゆき)ちゃん
彰というのは私の彼氏だ
まあ彰も私が浮気していることを知っている
彰に行為に誘われても私は断っていたのだが、深雪ちゃんとは定期的に……というか私が我慢出来ず行為に及んでいた。
浮気が彰にバレたその日は彰が外出中で深雪ちゃんと当然の如く及んだ。
その最中に彰が帰ってきてしまい見られた。
しかし彰は怒らなかった理由を問うと彰はこう答えた。
「俺は彩乃が幸せなら浮気やら二股しても良いって付き合う時言ったはずだけど……でも浮気するならこの人が相手ですって教えて欲しかったな…………その人が彩乃を幸せに出来るかを見定めたいといけないからな!! 俺はやっぱり彩乃の色んな表情(かお)が見たい、俺に見せず深雪に見せたさっきの表情とかさ。だからさもっと俺に色んな表情見せてくれよ」
私が彰に秘密にしていることがある
それは、私は男性を好きになれないということ。
だったらなぜ彰と付き合ったのかと聞く人もいるその人にはこう答える
付き合った後に好きになれるかもしれないと思ったからと……自分勝手ということくらい私にも分かる
私は陰から『彩乃ちゃんってかわいいけどさぁ、人してはゴミだよね』と言われている
それだけならいいんだけど……『彩乃っていっつも私はそう簡単になびく女って思わないでみたいな感じに告ってきた男振ってるけどさ……自分はそんな安い女じゃありません〜とか思ってんじゃない? ほんっと腹立ついい女ぶりやがって、とっとと死んでくれればいいのにね、あのゴミカス』と言われているのも偶然聞いた。
流石にそれは言い過ぎって思ったから消したけどさ……もう少し良い断末魔が聞きたかったなぁ
「ふふっ、今度は誰にしようかな〜」
私が独り言を言っていると子供と母親が
「見てママ綺麗なお姉さんが怖い顔してる」
「こら見ちゃいけないよ……危ないかもしれないでしょ」と
危ないねぇ、私は人間の方が危ないと思うんだけどな……そうだ次はこの子達にしよ
私はそう思い子供に近づいた
「ねえ君、お姉ちゃんは危なくないよ……ほら見てごらん」
私はそういいこの子供が喜ぶものと写っている私の写真を見せた
まあこの写真は本当は私一人しか写ってない
「大丈夫だよ加工じゃないよ」
「かこうってなに?」
私が子供と話していると母親が怒りながら子供を抱き抱え走り出した
「ソウちゃん早く帰るよ!! この人は危険だから、本当に!!」
私は危険じゃない……そのことを教えないと!!
私はそう考えながら走って追いかけたが私自身は足がそこまで速くないなので
「あぁもうアンタたち私に取り憑いてるならあの子達のところに連れて行きなさい!!」と私に取り憑いている子にお願い……というか命令をした。
なぜ取り憑かれたかについては後で話すから!!
「連れて行く……のはいいけど、断末魔は聞けるか? 貴様に陰口を言っていた奴らの断末魔は十点満点中三点だったからなぁ……子供に幻を見せてやっただろ……だからさぁ子供を殺してその肉を親に喰わせるってのはいいんじゃないか? 良い断末魔が聞けそうだろ〜!!」
「そもそもアンタが私の身体を勝手に使ってあの子たちを殺したんでしょ!! 陰口ぐらい言わせておけばよかったのに……文句なら面と向かって言って欲しいけど、殺す必要はないでしょ!! ていうかあの子たちに憑いてるやつをどうにかするのが先でしょ!!」
それでも聞いてくれないから私はとっておきのの言葉を伝えた
「断末魔が聞きたいんでしょ…………だったら、私に幻を見せながら殺せば良いでしょいつもみたいに!!」
「……だな、お前の断末魔が今まで聞いたなかで満点だからな……本当私以外の変な奴がお前を何度も蘇らせてくれるから何回も楽しめるから感謝しねぇとな。んで連れてきゃいいんだろ任せな!!」
そうして私はあの子達に追いついた
憑かれているのは、子供と親両方だが子供に憑いているのは悪いやつではない……問題は親に憑いているやつだ。
姿は簡単にいえば下半身がクロゴキブリ上半身がアホロテトカゲ……みたいな感じだ
私は苦手な見た目だ
しかも追いついた私を見つけた瞬間襲いかかってきた。
「ふう、目が合った瞬間襲うとかありえねえ……さ〜て貴様の断末魔は何点だろうなぁ」
あいつは私の身体を使い"憑き者"を殺しはじめた
十一分後
「……んん十点満点中六点!! 結構良い感じだったなぁ」
あいつが殺し終えたあと別のやつが
「それじゃこの憑き者おもちゃにしても良いだろ……な!!」と言ってきたので私は良いよと答えた。
さて私が憑かれた理由だが、それは一年前の八月
お墓参りの帰りに姉の美憂(みゆ)から突然心霊スポットに行こうと誘われ、向かってしまったことから始まった。
回想
今年も母さんに会えた……まあ母さん毎日私たちのところに来てるけどさ……霊体だけど。
「ねえねえ彩乃知ってるこの辺りさ全国五本指に入る最恐の心霊スポットって呼ばれてる通夜街(つやまち)トンネルがあるんだって今度友達の未来(みき)と行くことになったんだけどね……私が先に行って未来に解説してやろうと思っててさぁ今から行かない?」
「えっ、ヤダよ普通に不法侵入じゃん……だって心霊スポットって言ったって霊の家だし、霊側からすれば不法侵入してきた人間を呪ってるだけでしょ……毎回さ『心霊スポットに行って呪われました』って動画あるけど……そりゃ呪われるでしょ……ってなるから、だから嫌だ!!(というか五本指に入るのに最恐とかなんだか矛盾してるような気がするんだけど……まあいいか)」
すると美憂が
「そっか……彩乃は行きたくないか……じゃあ外で待ってるだけでいいから……じゃっ行くから」
そう言い放って美憂は車を進みはじめた。
十七分後
「おお〜これが通夜街トンネルかぁ……じゃあ彩乃は車で待っててね」
「分かった」
私はそう答えたが、美憂には言ってないけどここに向かっている時でさえとてつもない悪寒があったし……今すぐに帰りたい絶対やばいここは来ちゃいけない場所だった!!
早く美憂を呼び戻さなきゃ!!
私が車を出る時には美憂はトンネルに入った後だった。
私が扉を開けた時
「キャァァァぁぁぁぁ」
美優の悲鳴が聞こえた!?
今ならまだ間に合うかもしれない、早く助けないと……どうして私の足はこんなに遅いんだ!! これじゃ間に合わないじゃないか!!
私がトンネルの入り口に着いたのは三分後だった。
そこでは化け物にバラバラにされ、恐怖に歪んだ顔をした美憂がいた。
「……美憂? な……にが、あったのねえ」
「…………に…………くない」
まだ息がある
「待ってて今から救急車呼ぶからどんなことをしても助けるから!! 死なないでよお姉ちゃん!!」
もう神さまでも悪魔でもなんでもいいから……お姉ちゃんを、美憂を助けてください……私の命でもなんでも差し出しますから!!
その時複数の声が同時に
「なんでも差し出すならお前に取り憑かせろ」と
「分かった取り憑いていいんで美憂を助けてくださいお願いします!!」
その後声の主たちは願い通り美憂を助けてくれた……が美憂の精神は崩壊し言葉一つ発さない状態だった。
家に帰ってから私に取り憑いた人たちに問いただすと一人が
「あいつを助けろと言ったのはお前だろ、命は助けたぞ。こんな状態で助けてくれと言わなかったのはお前だろ……命を助けてやったことに感謝するんだな、あ〜はっはっはっ!!」
私はこんな奴らに一生取り憑かれるのか? でも願ったのは私だ。ごめんなさいごめんなさい
回想終了
これがこいつら私が取り憑いた理由みたいなものだ
私たちがバカなことをしたから……私がもっと強く止めていたら……なんて後悔したところでもう……遅い
あの親子を怪我もなく助けられたのはこいつらのおかげ……だけど、こいつらが私の身体を使ったことで助けた人数より殺した人数の方が多い
私は家に戻った
ガチャ
「彩乃どうした突然黙ってどっか行ってが、何かあったのか? 深雪も心配してたぞ」
「彩姉どこに行ってたの!? 心配……したんだからね!!」
「ごめんね二人共……心配させちゃったから二人の願い出来るだけ私が叶えるよ、何がいい?」
「「三人で付き合おうよ!!」」
「いいよ彰、深雪ちゃん」
これは私たち三人の付き合う者と私と私に取り憑く霊たち憑き合う者の話
おしまい
ツキアウモノ 暗黒神ゼブラ @ayumu20
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます