第2話

入学試験……のはずだった。

私が聖女だと言う事はなんか全国民が知っているらしく私は試験を受ける事無く合格通知を渡された。

「なぁ、お前がリリーか?」

1番会いたくない人に声をかけられてしまった。

「えぇ。私がリリーです。よろしくお願い致しますヴァルツェ殿下」

そう次期皇帝陛下だ。

「この後時間はあるか?」

「ありますけど……」

「なら着いてこい」

そう言って殿下はさっさと歩き出してしまった。

コイツ女性へのエスコートも出来ないのか……?

しばらく歩くとそこは城だった。

「言ってなかったな。皇帝陛下が話があるらしい」

殿下じゃなくて皇帝陛下が……私何かしましたっけ

城に入ると皇帝陛下の執務室に通された。

礼儀としてここは先に挨拶か。

「初めてお目にかかります。リリー・アインベルグと申します」

「リリー嬢、知っていると思うが私がビューゼン・ベルセリアだ」

「それで私になんの御用でしょうか?」

「君も知っていると思うが私の息子のヴァルツェの婚約者を探していてな」

「まさかその婚約者になってくれということでしょうか?」

「ああその通りだよ。受けてくれるかな?」

受けてくれるかなじゃねぇよ……受けるしか無いやつじゃん。

「かしこまりました。私で良ければお受け致します」

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何も無い平凡なサラリーマンから令嬢に転生しました 水戸 遥 @Mito_Haruka

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