学生トーク「雪編」

山田 武

学生トーク「雪編」



「──雪、についてどう思う?」


「遠目にしか見ないもの、だな……テレビ的にも、実際にも」


「あー、まあたしかにな」


 寒い方の地域ならまだしも、日本において温かい地域で雪が降ることは滅多にない。

 俺たちが居るこの地域は温暖な方なので、指で数えるぐらいでしか雪を見たこと無い。


 正確には、自分の居る場所に雪が降ったことは数度しかない、だろうか。

 校舎の窓に映る山、その上の方は白くなっているからな。


「じゃあ、他にはどんなことを?」


「まあ、水がほどほどに凍ったものか? 改めて考えると、よく分からないな……冷やせば氷になる感じだけど、雪ってなんだろう」


 これ以上は思いつかないので、さっさとスマホで検索。


「──あー、そういやそうだった」


「ん?」


「水が凍って氷になる。その大きさがデカければ霰や雹だけど、小さいと雪なんだ……理科だった頃に習ってたなぁ」


「…………そういえば、そうだったな」


 雪の結晶といったら思い出せる、『*』の記号みたいなアレ。

 それが集まって雪になるし、更に大きければ他二つになるわけだ。


「知ってても思い出せないものって多いな。言われてみれば、みたいなヤツ」


「大半はそんな感じだよな」


「雑学を言える連中って、そういうのも全部覚えてるんだよな…………記憶力凄いな」


「まあ、こんな感想しか出ない連中じゃあ、パッとすぐに言えるわけ無いよな」


 上手いことも言えず、小学校の頃に学んだ内容を忘れていた自分に溜息。

 ……なんだよほどほどに凍ったヤツって、普通に凍ってるじゃねぇか。


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