第2話 おまけ:笑い話

 話の冒頭で違和感を覚えた方。

 鋭いです!

 そうなのです。


『ようやくのことで飛び乗った新幹線』

『買ってあったペットボトルの水と駅弁』


 駅弁買ってる暇あるなら、さっさと新幹線乗れよ!


 というツッコミが入りますよね(笑)

 これには理由がありまして。


 11時28分発。

 チケットはちゃんと見ていました。ギリギリで取れた指定席、ラッキー! と思いましたとも。年末ですからね。

 実は母も足腰弱ってまして、膝にヒアルロン注射をしているのです。

 母にとっては久しぶりの新幹線ですし、病院の看護師さんに渡す差し入れのお菓子や駅弁もゆっくり見たいと言うことで、時間には相当余裕を持って家を出ました。

 結果、1時間ほど余ってしまい、ホーム下の待合室で時間を潰すことにしたのです。


 母:「じゃあ、30分くらいにホームに行けばいいかな」

 私:「そうだね」


 それぞれに時間を潰す母と私。


 母「そろそろお手洗い行ってくる」

 私「じゃ、私も次に行くよ。荷物見てるね」


 そして、私がお手洗いから戻る途中で見た電光掲示板には、11時28分発の新幹線の表示が。


 私:「もう掲示板に表示されてるよ」

 母:「え? 無いよ?」

 私:「あるよ。ほら、28分の」

 母:「48分でしょ」

 私:「28分だよ?」


 この時、時刻は11時26分。


 私と母は無言で待合室を飛び出してエスカレーターを駆け上がりました。もう、発車のベルが鳴っているのです。

 まず先に到着した私が入り口に立ち、ハラハラしながら母を待ちました。母も必死の形相で走ってきて、なんとか滑り込みセーフ。

 ※駆け込み乗車は危険ですのでおやめください! 充分に分かってはいるのですけど!!!


 まぁ……こんなに焦ったのは久しぶりでした。母に至っては、こんなに走ったのは何年ぶりだろうとか。ていうか、結構走ってたね、足大丈夫だった? 肺も悪いのに……


 母も私も、色々バタバタとしていて、この年末は疲れていたのです。そして、時間にかなりゆとりを持って動いたことが逆にアダになって、どうもボケてしまったようです。

 結果的に予定の新幹線に乗れたので笑い話になりましたが、いやぁもう本当に参りました。


 今回の教訓。

 新幹線は、乗って席に座るまで気を抜いてはいけません。


【終】

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