物語の「書き出し」と「書き終わり」が出会う――そんなユニークな発想が、魅力的な言葉遊びと温かいユーモアに包まれて展開されていきます。
最初はぎこちなく距離を取る「書き出し」と「書き終わり」たち。しかし、物語を形作る運命にある彼らが、やがて自然と引き寄せられる様子に頬が緩みます。登場する有名な作品たちも物語に彩りを加え、文学好きならニヤリとしてしまうでしょう。
この作品を読み終えた後は、目の前の本の「書き出し」と「書き終わり」がどのように結ばれているのか、見える世界が違ってきます。「物語」の魅力とは何かを再発見させてくれる作品でした。