お題目+よさこい踊り

よさこいマニアは、よさこい踊りを価値にしていた。

「よさこい踊りの価値は永遠に文化に残る」と


その為か、踊り団体のメーリングリストで、スケジュールや価値の凄さを宣伝していた。それに皆がついて行った。


「君と僕との間に 永遠は見えるかな」

そんな歌が頭に聞こえてきた。


大先生の価値を出せない分、よさこい踊りに置き換わっていた。


彼等の価値はあるお経による。

「南無、南無…」と言えば、良いらしい。


「絶対に功徳があるよ。」

「〇〇に入れば、損しないよ」

よさこいマニアは豪語してた。


私はそのお題目の内容を調べる事にした。

方便と寿の量に関するものだった。


その内容は人は仏になれる方便と、寿の量は仏になっての永遠性が未来にも続くとかいう物だった。


彼らのよさこい踊りは毎年変わるが、その踊りが永遠のようになっていた。

同時に仏、ブッダのように扱われていることに気づいた。


彼等にとってはよさこい踊りは永遠であった。

そこにいる女たちは肯定されていて、尊大すぎた。恋焦がれていた。

踊りを教える側として見たら、尊大な態度で踊りのダメ出しのみしてて、彼女ら、教える側は何もダメ出しされなかった。


同時に男はだらしないと文句言っていた。


ブッダと化したよさこい踊りに女としての価値を肯定されて、下駄をはかされているだけなのに。


永遠、未来永劫にされたよさこい踊りは、ブッダではあったが排他的だった。

ブッダになると言う自力性がそうさせるのだろう。


団体での女達の平等性が排他性を作ってた。価値に応じないと孤立してた。


「共感してよね。どうしてしないの?」

ある女はヒステリックに言う。


踊りの永遠の普遍性が、全てを苦しめているのだ。

決して悟りではない。

群れて陶酔するためのものだ。


お題目の苦しみに気づいた。

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よさこいマニアへの怒り @sakanatus1

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