第一章第2話

 月日は流れミアが推薦の手紙を受け取ってから入学式当日になった。


「んんぅ……ふぁぁ。よく寝た~」

 今日は入学式当日、転生してから数か月が立ったな。うんうん、入学式楽しみ。


「そういえばエルフはどこ行ったんだろう……。……また会えるといいな」と言うと部屋に近づいてくる足音が聞こえドアが勢いよく開かれた。


「おはよう!お姉ちゃん!入学式だよ!」

「おはよう。私より楽しみじゃん」

「そりゃ楽しみだよお姉ちゃんがあそこに行くんだからね!」と言い「あとねご飯できてるから下来てね」と言うと妹は颯爽と部屋を出ていった。

「……早いなぁ」

 持ち物は……うん。入学式だしいらないかな。必要なのはうん。あるし、大丈夫。よし下に向かおう。

 ドアを開けて下に降りていった。


「あ、お姉ちゃん、ちょうど出来てるところだよ。ささ座って」

「うん」

「「いただきます」」

 あ、このパン美味しい。それにこのミルクよくあうな。

「お姉ちゃん美味しい?」

「おいしいよ」

「よかった」


 食べ始めてから数分たち……

「ごちそうさま」

「うん、お粗末様~」

  

「じゃあ行ってくるから」

「――待っておねえちゃん」

 どうしたんだろう。持ってるのは、青色の髪飾りだ。

「これ付けてあげる」

「え、あ、うん」そういい妹は髪に髪飾りを付けてきた。

「はい鏡」妹が見せてきた鏡を見ると銀髪メッシュに似合った青い髪飾りがついていた。

 私めちゃくちゃ似合ってていい……かわいい。

「突然どうしたの?」

「えーとね、龍人族は代々高校生になる頃に後継者にこの髪飾りを渡すの。もう他の家系は渡してると思うし…あ、ちなみにその髪飾りは家宝だから絶対無くさないでね」

「うん、わかった」

 家宝って重すぎでしょ…無くさないように気をつけよう……。

「じゃあ、頑張ってねお姉ちゃん!」

「うん、がんばるよ」

 ドアを開け家を出て行った。



「……住所はここで合ってるのかな……?」そう言いミアは、周りを見渡す。そこには|。

「どうゆうこと……?」そう考えていると「あら、そこのあなた、そこで何をしているのかしら?」と声を掛けられた。声の方に目を向けるとそこには……優雅にティーカップを持って飲み物を飲んでいる少女がこちらを見ていた。彼女は落ち着いたような雰囲気をまとっている。

 綺麗な人だなお嬢様かな?肌真っ白…

「そこの、あなたこの椅子にお座りになったらどう?シャーロック飲み物をこの方に」

「かしこまりました」シャーロックと呼ばれた少女は、飲み物を入れるとササッとその場から離れて彼女の後ろに立った。

 この飲み物ってなんだろう。あ、これりんごジュースだ。

「気に入ってもらえたかしらそれはそこにいるシャーロットが手で潰して入れてくれたのよ?」

 え?シャーロットさん力強すぎない?

「あら、すごい驚いた顔してるわね…ふふ、ただの冗談ジョークよ、ほんとはわたくしが作った機械でシャーロットが淹れてくれただけなの」彼女はクスクスと笑った。

 びっくりした…まありんごを潰して入れるなんて普通はないよね?なんか実際に手で潰して淹れてそう………。

 そう考えながらシャーロットを見るとニコリと微笑んだ。

 え、冗談だよね?


「あの、その綺麗な紅い目…もしかして吸血鬼とかですか?」

「…ふふ、違いますわ。吸血鬼ならこんな日光が当たるところなんていないわ。面白いこと言うのね」

「…そうですよねー」


「あ、そこのお菓子食べてもいいわよ」

「え、いいんですか?」

「ええ」

 お菓子…ケーキスタンドに一口サイズのケーキとかクッキーとか置いてある。シャキシャキしてておいしいな。

「あなたの角、見たところあなたも竜人かしら」

「そうですけど」

「実はわたくしもそうなの」

「そういえば、ここら辺に来たということはあなた魔法学院の入学式にでるのかしら?」

「はい、そうですけど」

「私も魔法学院の入学式にでるのよ」

「そうなんですね」

 少女は急にテーブルがガタッと音を立て立ち上がった。

「え、どどうしました……?」

 そうミアが口にすると華夢はこう言った「あなたわたくしと一緒に入学式に行かないかしら?」と。

 驚いた…別に1人で行きたいってわけじゃないし…。

「いいですよ、一緒に行きましょう」

 そうミアが言うと少女はありがとうと一言言い席に座り直した。


「……自己紹介が遅れたわね」

「私の名前は紅夜 華夢こうや かのんここの城の主ですわ、あなたは?」

「私はミア・リュウマです」


「リュウマさんね。わたくしのことは気軽に下の名前で呼んでくれるとうれしいわ」

「じゃあ、私のことをミアと呼んでください」

「そう、ではミアと呼ぶわ」

「はい、華夢さん」


「そろそろ、良い時間だし行こうかしら」そう言い華夢は立ち上がる。

そういえば学校ってどこにあるんだろ…

「なにをしているの?ミア、学校はこっちよ」そう言って行く方を指で指した。

華夢が指を指した方向をミアが見ると学校がまるで隠れていたように出てきた。

 驚いた…あんなところに建物あったんだ……。

「あなたもしかして……龍人目ドラゴンアイを使ったことなくて?」


「……はいお恥ずかしい限り」

「………」

この沈黙、気まずい……華夢さんは、困ったような顔をしてるし……!!

 沈黙にしびれを切らしたのか華夢は口を開いた。

「ととりあえず行きましょう」

「はい……」

 そう言いミアと華夢は学校へ歩き出した。


    ▲


「わぁ~すごいたくさんの人がいる」

 あ!明らかに魔法使いの人もいる!本当に色んな種族がいるんだ!

 

「あ!あの人、モフモフしてる!」そう言いミアは目をキラキラさせながら指を指した。

「あれは獣人よ。耳と尻尾が特徴的なのよ」

「そうなんですね」

「あ、お店がある」

「ここは、入学したらこの学院内に設置されてる施設で娯楽が楽しめるみたいよ」

「へー」さっき通ったときチラッとみえたけどコンビニとかゲームセンターあったよね…この世界って元の世界の技術手に入れてるのかな…いや…考えすぎだよね…。


「ここが入り口ね」

「……!あれ…なんか、ピリピリしません?」

「そうね、……この感覚は…」

「よォ……そこにいるのは、紅夜家の令嬢じゃねぇか」

 足音が近づくごとにピリピリが強くなっていく。そして華夢の目の前に来て睨みつけた。

「あら、だれかと思えばビリビリか取り柄の雷龍じゃない」そう言い雷龍と呼ばれる人を不敵の笑みで睨みつけた。

「あ、あの……華夢さんの知り合いですか……?」

「ええ、小さい頃からの仲なの」


幼馴染み…そういえば雷龍って呼ばれてるこの人は華夢さんと同じ龍人族なのかな。明らかに角が生えてるし…それに、大きい…華夢さんよりも背が高いな。


「あ?ンだお前、初めて見る顔だな」

「私はミア・リュウマです」

「……リュウマ…」

「……?どうしました?」

「なんでもねえ…」

 どうしたんだろう…名字を聞いてからなにか考えてる。

「ミア、そろそろ中に入りましょ」そういい入り口の方へ振り向き歩き出した。

「はーい。では失礼します」

 そう言うとミアは、雷龍と呼ばれる人に会釈し華夢の後を追った。

 

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幻想の物語 うさにゃん @usanyan_1123

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