幻想の物語

うさにゃん

第一章第1話

 ……目が覚めると真っ白の部屋にいた。

「よいしょ、よいしょ」何かを持って運んでいる。姿は、10歳ぐらいかな。緑色のワンピースを着ている女の子だ。私に気づいたのか私を見て「あ、おきたんだ」とそう言った。


「誰ですか?」そう口にすると少女は口を開いてこう言った。「わたしはこの世界の管理者の女神よ」


「そうなんだ、なんで私はこんな所に?」

「あなたは階段で転んで運悪く頭当たって死んじゃったんだよ、ちょうど転生先が空いたから管理者の部屋に一時的に魂を移動させたの」

「そうなんだ」

「あなたに転生のチャンスをあげる。」

「転生ね…」

「転生する場所は剣と魔法の世界なの」

「剣と魔法の世界……ファンタジーの世界?」

「ちょっと興味持った?そう、あなたの世界でいうそれよ」

「前の世界よりも…ちょっといいかも」

 私が住んでた所よりも面白そう。

「転生したい子とかって選べないの?」

「ざんねんながら出来ない、決まるのはランダムだよでも女性か男性なら選べるよ」

「女性でおねがいします」

「別に元の世界の性別にこだわらなくてもいいんだよ?」

「だって私…女を経験したけどなんか女の方がいいなと、」

「へぇーそうなんだ。あと記憶は残すか消すか選べるよ?結構いるんだよ前の記憶消して次の人生楽しみたいっていう人」

「残してください、残ったまま暮らしたい」

「へぇー分かった」と少女はクスリと笑うと私の周りが光りだした。

「………?!」

「これから転生先に魂を送る、頑張ってね」

 その子の一言を最後に視界が白くなった。


   ▲ 

 

「……」目を覚ますと見知らぬ部屋にいた。

 私は……たしか小さい女の子に転生できるよって言われてそれで選んで……。

「……」

 部屋の周りを見渡すと色々な物が置いてあるようだ。本当に転生したのかな……。


「とりあえず、起きて何か情報を見つけなきゃ」 そう言い布団から出る。

「見た目ってどうなってるのかな」もっと周りを見渡すと手鏡が目に入った。

「あ!あれで顔が見えるじゃん」そう言い手鏡を手で取る。

 これがミア…か、かわいい…角が生えててオットアイでしかもかわいいのはいい!!。しかも髪の毛が銀髪で青色のメッシュはかわいすぎ!

 そう考えながら鏡をみていると、ふと反射で映った水色に光る本を見つけた。

「あ、なにかある」とそう言い本に近づいた。

なにか書いてある…【必ず見てね☆】?。

本を開くと、紙切れが床に落ちた。紙切れをみるとなにか書いてあるようだ。


「読んでみようかな『やっほーあなたが転生した子は竜人のミア・リュウマちゃんだよミアちゃんは水龍ウォータードラゴンで、伝説のドラゴンの力を持った子は1000年に8人現れるんだよ。じゃあ異世界ライフを……あ、ついでにこの紙が挟まってた本を見てみて、女神より』……これからどうすればいいのかな。」そういい本を開くと目次にメモが貼ってあった。


「……なになに『この本は次のページを開くと一瞬で覚えられるけど、その代わり本が消滅するよ』え?どういうこと?」そういい次のページを開くと紙が勝手にめくり始めた。


「え、なに……?」そう呟きながらめくれてるのを眺めてるとめくり終わった、瞬間、突然本に火がつき燃えて消えてしまった。

「……え、なんだったの?なにも起きてないししかもちゃんと見れなかったし、覚えられてな、うっ、あぁ!」突然の痛みで頭を抱え床に崩れ落ちる。

 頭に電撃が走ったような感覚…よくある展開だけど、本当にあるなんて……!!

「…あ、れ?」

 なんか頭に流れ込んでくる……もしかしてこの子の記憶?15年間の記憶が流れてくる……!

「はぁ、はぁ……な、なんなのぉ……最初からぁ……」

 一瞬で覚えられるってそう言うことなの!?と心の中で嘆きながらふと気づく

「……あれ、体の中が変、それになんか暖かい感じがする」


「……これっ…て……もしかして!これが魔力!?異世界系漫画とかで体からエネルギーを感じたらそれが魔力だって見たことある!魔法使っているのを見て私も使ってみたいなあと思ってたけど使えるかも!」そういい目を輝かせるミア。


「でも一体どうやって魔法を使うのかなあ異世界系の漫画だとだいたい一か所に意識を集中させて使うけどどうなのかな、とりあいずやってみよ!」ミアは丸いものを両手で添えるようにし目を閉じた。

 手のひらから暖かい感じがする……イメージすれば良いのかな。小さな水の玉、小さな水の玉…。

 すると添えたところに水の玉が現れた。水の玉を見るとミアは目を輝かせた。

「す、すごーい!!なにこれ水の玉作れた!これが魔法?」

「これ操作できるのかな」そういい指で動かしてみる。

「すごい!次は、試しに飛ばしてみようかな、えい!」そういい水を窓に、向かって飛ばすと窓に当たり「パリン」と窓が割れて突っ切ってった。床に落ちたのかパシャんという音がした。


「どどうしよ窓割っちゃったよ……!あの水の玉水圧(?)強すぎない!?」そういい割れた窓に近づき下をみるそこには飛んで行った水がかかったのか長い耳の少女がびしょびしょになっている。

「人にかかってるう……!!」頭を抱えて焦っているとふと、耳が長い少女と目があった。彼女は下から赤緑青のグラデーションの目と長い金髪でとても綺麗だった。

「……あ、謝らなきゃ」ミアはそうつぶやくとダッシュで部屋を出て、家の階段を降りていった。


   ▲ 

 

「……お姉ちゃん?どこ行くの?」と声を掛けられて振り向いた。そこには銀髪にメッシュが入ったショートヘアの女の子がいて、頭には青い角が生えていた。

 この子は……ミアちゃんの妹さんだ。見てみるとミアにそっくりだな特に角と髪の毛…。

「あ〜ちょっと外の空気吸ってこようかなぁーと……」そう言うと目の前の女の子はジト目でこちらを怪しそうに見てきた。

「……なにかやらかしたんでしょ」

「別に……なにもしてないよ?」

「さっき「パリン」て音したよ?」

「な、なんの事かな?」

「何もしてなきゃ急いで上から降りてこないよね」

「う……ちょっと外行ってくる―!」

「あっ!ま――」

 ミアは言い終わる前に外へ出ていった。


 外へ出たミアは彼女のところへ向かっていた。

「部屋で見た感じ家の裏にいた感じだよね」

 そう言い家の裏にまわり歩いていた。見つけると彼女は眠っていた。見たところ彼女は濡れていなかった。


「……あれ?さっき濡れてなかった?」

 そうつぶやくと彼女の耳がピクッと動き目を開けてこちらを見てきた。

「……さっき目が合った子」

「えーとその……さっき魔法を飛ばして水がかかっちゃったと思うんですけと……」

「うん、さっきかかってびしゃぬれだったよ、突然上から水が降ってきてびっくりした、君でしょ?」

「……はい、水をかけちゃってすみません…」

「あ〜大丈夫大丈夫、水がかかったぐらい」

「……ほんと、ですか?」


「うん、いいよ。私の名前はエルフ、旅をしているんだ」

「へぇ……エルフさんか」

「エルフでいいよ。私は色んなとこを旅しているんだ」

「へぇーそうなんですね。エルフはいつまでここにいるんですか?」

「んー気が向いたらまた旅に出るからまだ決まってないな」

「そうなんですね」


「そういえば君の頭の角と似た子に何人か会ったことあるよ」

「どんな人ですか?」

「個性的な人だったよ。氷ぐらい冷たい人や強気な人とかがいたよ」

「そうなんですか……私も会ってみたいです!」

「へぇー会えるんじゃないの?」

「え?」

「この時期的にもうすぐ入学式じゃない?それに君と似た角の子ここの地域の学校に通うって言ってたし」

「……!ありがとうございます!」

 ミアは目をキラキラさせながらいうとエルフは微笑した。


  ▲

  

 ミアは自分の部屋へ、戻ってきていた。

「……そういえばミアは、学校へ行ってたのかな?」そう言いながらふと割れた窓を見た。すると風に乗って隙間から一通の手紙が飛んできた。飛んできた方を見ると猫みたいな耳と尻尾を持った人がこちらを見ていたがすぐにどこかに行ってしまった。

「なんだったんだろうあの人」そう呟きながら手紙を見た。

「とりあえず開けてみるしかないよね」

〖こんにちは。私は、魔法学院アカデミーの学園長をやっている者です。あなた様は、|魔法学院に行く資格があると判断したので私はあなたを推薦します。魔法学院は、様々な種族が集まり色々なことを教わることが出来ます。この学園の方針はルームシェアすることで友情を深め得意なことを高めていくことを目標にしています。詳しい説明は入学式でお話しいたします。あなた様が来ることを楽しみにしています。入学式:4月12日〗

「……学院かぁもしかしたら私と同じ角を持ってる人と会えるのかな」

もしかしたら竜人のこともっと分かるかもしれないし

「おねえちゃーん何してるのー?」そう言いながら部屋に入ってきた。

 どうやら自分の部屋に戻ろうとしていたところ私が真剣に手紙を見てたのが気になったらしい。


「窓から飛んできた手紙が私宛魔法学院アカデミーに行けるって書いてあったよ」

「……すごいじゃん!おねえちゃん」

「ねえ魔法学院ってどんなところなの?」

「お姉ちゃんそんなことしらないの?魔法学院ってすごく有名なんだけどなぁ」そう言い顎に手を当てて考える姿勢をした。そして考え終わったのか手を顎から外して目線を合わした。


「……魔法学院にはお姉ちゃんと同じまたはそれ以上の実力を持った人があつまるの、そして種族も年齢も関係なく受け入れて実力で入ることができるの」


「へ、へぇ……」

「しかも推薦はすごいんだよ!学園長自ら実力がある人しか推薦はくれないの!」

「へ、へぇ……。そういえばわたしたちみたいな角を持った人ってこの学校に集まるのかな?」

「……集まる可能性はあるんじゃないの?とりあえず行ってみなよ」

「わかった」

「あとお姉ちゃん……窓ちゃんと直してね?」

「あ、はい……」 


 

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