第8話:そのくらいじゃ出てこないビスケット。

「ね、裕太くん・・・いい考えだと思わない?」

「女の子はね、好きな彼氏のことが気になるもんなの」

「私と裕太くんがイチャラブしてたらビスケットちゃん気になって絶対出て来る

って」


「出てくるかな?」


「試してみないと分かんないじゃない」


ってことで夕方、日向ちゃんが僕んちにやってきた。

でもって僕と日向ちゃんはビスケットが戻っていったPCの前に向かい合わせに

座った。


「あれから、まだ出てこない?」


「うんともすんとも・・・」


「じゃ〜早速試してみようよ天の岩戸作戦」


「う、うん・・・どうすればいい?」


「まずはハグからね・・・ハグの次はチュー・・・それでも出てこなかったら、

裕太くんが私の服を脱がす・・・」


「え?それやるの?」


「なに?ハグとチューなんていつもやってるでしょ?」


「そうだけど・・・服を脱がせてもビスケットが出てこなかったら?」


「それでも出てこなかったら・・・エッチに持ち込むしかないかな」


「え〜・・・エッチだって?・・そ、それはちょっと・・・」


「今更、なに躊躇ためらってるの・・・恋人同士なんだから遅かれ早かれ

いつかはするでしょエッチ・・・前倒ししちゃうだけだよ」


「日向ちゃん意外と積極的なんだね、新しい発見・・・だけど抵抗ないの?」


「誰でもって訳じゃないでしょ、相手が裕太くんだからだよ」

「それとも裕太くん・・・私とじゃイヤ?」


「いや、そう言うわけじゃなくて・・・いきなりのことだから・・・」


(やりたいに決まってるだろ)


「裕太くんがいつまで経っても私のこと誘わないからだよ」

「最近の男の子はみんなそう・・・だから女の子が積極的になるんだよ」

「これってチャンスだよ・・・いい機会じゃない」


なんとビスケットがPCの中に戻っちゃったおかげで思わぬ展開になろうと

していた。

まじで日向ちゃんとのエッチが終わるまでビスケットが出てこなきゃ

いいのに、なんて思っちゃって期待に胸が膨らむ僕。


「じゃ〜はじめちゃう・・・」

「まずはハグからね」


日向ちゃんにそう言われてハグをした・・・ハグするたびにゾクゾクする。

日向ちゃんの体は柔らかいし、めちゃいい匂いがする・・・たまんない。


「どう?ビスケットちゃん出てくる気配ない?」


「ん〜・・・このくらいじゃ出て来ないかも・・・」


「そか・・・じゃ〜チューする?チュー」


「うん、チューしよう」


で、ハグしたままチューした・・・チュって・・・。


「まだ、出てこないよね」


「ん〜・・・このくらいじゃ出て来ないかも〜」


「じゃ〜もうちょっと濃厚なチューしてみよっか?」


で、僕と日向ちゃんはディープなキスをした。


「裕太くん・・・舌入れて」


「え〜・・・今までそんなキスしたことないけど・・・」


「ビスケットちゃんを出すためよ、背に腹は変えられないの」

「早く・・・入れて」


「入れてって・・・・その言葉は男子に言っちゃダメだって」

「日向ちゃん、どうしたの?・・・めちゃ積極的なんだけど」


「こんな時くらいしか裕太くんとフェティッシュなことできないもん」


「え〜どさくさに紛れてるわけ?」


「ビスケットちゃん出来てこないわね」

「しょうがない、エッチしちゃう・・・正くん」


つづく。


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