第7話:名ずけて、天の岩戸作戦。
PCの中に戻ってしまったビスケット。
僕がパソコンに話しかけても、
って謝っても返事なし。
どうしたもんか・・・このままPCに閉じこもったままでも、別に僕はかまや
しないけど・・・不可抗力で出て来ただけで元々PCの中にいたんだし・・・。
なんだけど、いないとなるとなんだか気にもなる。
もう少し冷静に対応してやってたら、こんなことにならなかったんだよな。
少しは反省。
しばらく様子を見ようと思ったら、日向ちゃんから連絡があった。
「どう?ビスケットちゃんPCから出て来た?」
「
「よっぽど悲しかったんだよ」
「出てこないなら、それでもいいけど・・・」
「そんなふうに半分ヤケみたいに思ってるからビスケットちゃんにキツく
当たっちゃうんだよ」
「ダメだよ・・・普通ならありえない奇跡みたいな子なんだから」
「裕太くんだって、このままビスケットちゃんが出てこなかったら寝覚め
悪いでしょ・・・自分が原因でもあるんだから」
「本当は出て来てほしいって思ってるんでしょ?」
「ビスケットちゃんは裕太くんが作った子だよ」
「そりゃ、出てきて欲しいけどビスケットがその気にならないと、どうしよう
もないだろ?」
「あのさ、ビスケットちゃんをPCから出すために私いい方法を思いついた
んだけど・・・試してみない?」
「方法?・・・・なにを試そうっての?」
「私が裕太くんちに行ってビスケットちゃんがいるPCの前で、私と裕太くんとで
ラブシーンするんだよ・・・そしたらヤキモチやいて出てくるって思わない?」
「名ずけて、天の岩戸作戦」
「なんだそれ?」
「天の岩戸の話知ってるでしょ?」
「知ってるには知ってるけど・・・」
《天の岩戸伝説とは》
その昔、
しまった。
そのため世の中は真っ暗闇になり、いろいろな悪い神々が出てきて恐ろしいことや、悲しいことが次々におこった。
大勢の神様たちは岩屋の前に集まって天照大神に岩屋から出て来てもらうためには
どうしたらいいだろうかと相談をした。
そこでひとりの神様がいいことを思いつく。
私たちが岩戸の前で踊ったり歌ったりして楽しそうにしていると、きっと天照大神様は「あの者たちは何をしているのだろう」とおのぞきになるにちがいない。
まず鶏を沢山集めて鳴かせ、
沢山の鶏は一斉にコケコッコーと鳴きだし、天鈿女命の踊りがあまりに面白いので、神様たちも「わっははは」「おっほほほ」と笑いつられて踊りだした。
岩屋のなかの天照大神は何事がおきたのかと、そっと岩戸をあけて外を見た。
その時、岩戸のかげで待ち構えていた
岩戸に手をかけ渾身の力を込めて岩戸をあけて天照大神を岩屋から出て来たと、
そんな話。
つづく。
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