第4話:・・・私がいるのに?。

僕が寝てる間はビスケットはPCの中に入ってる。

PCが落ちていても夜中でも、いつでも自由にPCから出てこれるみたいだ。


で、僕が起きるとビスケットが出てきて朝の挨拶をしてくれる。


「おはよう裕太ゆうたちゃん」


そう言ってハグしてくれるから朝から気持ちいいはじまり。


「人間と変わんないよな・・・まじ不思議だわ」


「なに?私のこと言ってるの?」


「こんな非現実的な存在、君以外他に誰がいるんだよ?」


「自分で作っといて?私のほうが不思議に思ってるよ」


僕が朝食を食べてると、ご飯を食べないビスケットは僕の横に座って話し

かけてくる。

昨日まではなかった光景。

いきなり家に女の子がいて僕の横に座ってる・・・好奇心に満ち溢れた瞳で

僕を見てる・・・ちょっとキュンって来る。


まあ、そのうち慣れるとは思うけど・・・だけど PCの中のビスケットは

僕の彼女って設定にしてあるんだけど、こうなるとどうなんだろう?

ビスケットはそのへんどう思ってるのかな?


「あのさ・・・ビスケット、PCの中にいる時の君って僕の彼女ってことに

僕が勝手にしてあったんだけど・・・そのへんどうなの?」


「実体化しても設定は変わんないよ・・・私、今も裕太ちゃんの彼女だけど」


「あ〜そうなんだ・・・」

「あのさ・・・実は僕、付き合ってる子がいるんだ・・・同級生のクラスの女子」

春日 日向かすが ひなたって子なんだけど・・・」

「別にいいんだよね・・・」


「・・・私がいるのに?」

「あ〜私が現実にいないキャラだから二股かけたって浮気したっていいって思った

んだ」


「こんなことになるなんて思ってないから・・・」

「普通に好きな子ができたら付き合っちゃうだろ?」


「裕太ちゃんはその子が好きなんだ・・・」


「だな・・・彼女人間だし」


「あ〜それ偏見・・・私が人間じゃなくてPCの女だからって思ってるんでしょ?」


「だってそうだもん・・・ビスケット人間じゃないだろ?」


「ひどい!!」

「私だって、その春日かすがさんって子と、なにも変わんないよ」

「ちゃんとおっぱいもあるし・・・アソコだってあるし・・・だからエッチだって

普通にできちゃうんだからね」


「って言うか、それって全部スケベな裕太ちゃんが作ったんじゃない?」

「わたしのアソコ作るとき、めちゃテンションあげてたでしょ?」

「あ〜裕太ちゃん、ヤラしい顔してるって思ってたんだから・・・」


「なんてこと言ってんの?・・・それ普通だろ?ビスケットが女の子って

設定なんだからさ・・・しかもエッチって・・どこでそんなこと覚えたんだよ」

「それにテンションあげてたなんて・・・ヤラしい顔なんかしてないよ」


「夢中で没頭してかたら忘れてるだけだよ」

「だからね、私も人間と変わらない普通に女の子だよって言ってるの」


「はいはい、悪うございまいました」

「一人前に自分の意見、主張するんだな」


「ちゃんと自我に目覚めて自立してるんだよ、私だって」


「まじ驚きだわ、ビスケットを見くびってたわ・・・雷効果だな」

「よく考えたらPCにいたんだもんな・・・ネット徘徊できるんだよな」

「つうことは、だいたいの情報は頭に入ってるってことか・・」

「僕より知識豊富なんだ・・・だからエッチなんて知ってるんだ」


「SNSなんてほとんどフェイクが多いけどね・・・ちゃんと選ばないと

ガセネタつかまされるからね、でも楽しいよネットは広大だから・・・」


「あなたたち・・・いつまで話してるの?・・・裕ちゃん早くしないと学校

遅れるわよ」


って横から愛ちゃんが口出しした。


「裕太ちゃん、今日学校へ行っちゃうの?」


「そうだね・・・昨日は休みだったけど今日は月曜日だから学校休むわけには

行かないの」


「学校に行く理由ってクラスに春日かすがさんがいるから?」


「勉強しに行くんだよ」


「ふ〜ん、どうだか・・・行っちゃうんだ、こんな可愛い子を放っておいて?」


「放っておいてって・・・ビスケットがPCにいた時だってそうだったじゃないか」


「出ちゃったんだからしょうがないでしょ、今は状況が違うの」


「僕が学校へ行ってる間、ネットでも徘徊してればいいだろ?」


「そうだね、ネットの中にもイケメン男子いっぱいいるからね〜」


「なんだよ、それ? イケメンって・・・」

「自分だってイケメン相手にして日向ひなたのこと言えないだろ?」


「あのね、あなたたちなに揉めてるの、まるで恋人同士みたいじゃない・・・

なに、イチャイチャしてんのよ」


って愛ちゃんが呆れるように言った。


つづく・

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