AIの作るラブコメ「喫茶店の奇妙な告白」

第1話

「いらっしゃいませー！」

喫茶店「カフェ・リーフ」の扉を開けると、元気いっぱいの声が響いた。声の主は、いつもニコニコしている店員の結月（ゆづき）。

　俺――大輔（だいすけ）は、この店の常連だ。なぜなら、結月が目当てだから。

「お、今日はホットコーヒー？」

注文もしていないのに、彼女は俺の好みを完璧に把握している。いや、いつも同じものを頼むから当然か。

「うん、いつもの。」

「了解。ちょっと待っててね！」

　結月は明るく振る舞うけど、彼女の背中を見ていると少し胸が締めつけられる。この明るさは作られたものだ。彼女がひどく落ち込んでいること、俺は気づいている。

　彼女がスマホを見ているときの一瞬の寂しげな表情、いつも明るいけどどこか空回りしている態度……。

「はい、ホットコーヒーお待たせ！」

彼女がカップをテーブルに置いた瞬間、俺は思わず口を開いた。

「結月、最近どう？」

「え？」

唐突な質問に、彼女は目をぱちくりさせた。

「いや、その……元気ないんじゃないかなって思ってさ。」

「……大輔さん、何それ。私、超元気だよ？」

彼女は慌てて笑顔を作るが、目は笑っていない。

「嘘つけ。俺、ずっと見てたからわかる。」

「……ずっと？」

彼女の顔が少し赤くなった。

「いや、変な意味じゃなくて、常連だから……その、よく見てるし。」

自分で言いながら、ちょっと恥ずかしくなった。

彼女はしばらく黙った後、ぽつりと呟いた。

「彼氏と、別れちゃったんだ。」

「え？」

「3年間付き合ってたんだけど、なんか急に冷めちゃって。向こうも同じだったみたいで、あっさり別れちゃった。」

「……そっか。」

俺はそれ以上何も言えなかった。

「でも大丈夫だよ！失恋なんて、ホットコーヒー飲んで忘れるから！」

彼女はまた無理やり明るく振る舞った。でも、俺にはわかる。彼女は強がっているだけだ。

　その時、ふと頭に浮かんだ言葉があった。これを言ったらどうなるかわからない。でも、言わなければ後悔する気がした。

「じゃあさ、俺が忘れさせてあげる。」

「えっ？」

彼女の手が止まる。

「俺、結月のこと好きだ。ずっと前から。」

自分でも驚くくらい、ストレートに言ってしまった。

　結月はぽかんと口を開けたまま、しばらく俺を見つめていた。そして、急に吹き出した。

「な、何それ！唐突すぎない！？」

「いや、だって……タイミング的に今しかないと思って。」

　結月は笑いながら目元を拭った。

「でも、ありがとう。そう言ってくれる人がいるって、ちょっと救われたかも。」

「……ダメ？」

「うーん、今すぐは無理かな。でも、大輔さんがそこまで言ってくれるなら……ちょっと考えてみてもいいかも。」

　彼女の笑顔が、いつもの作り笑いじゃない、本物の笑顔に見えた気がした。

　その後、俺はますますこの喫茶店に通う回数が増えた。結月との距離を縮めるために――そして、いつか本当に彼女の心を掴むために。