死星戦争
@kurokuro11223344
第1話 「俺」が生まれた日
何も見えない、だが音は聞こえてくる。自分が何なのかはもう"憶えていない"。絶えずカチャカチャと聞こえてくる、永いし退屈。
「・・・ったく・・・大勢の脳みそを見る俺の気持ちにもなってくれっての・・・」
「愚痴は後、今は目の前の手術に集中してください」
「にしても今回こそは上手くいきそうですよね。もう後は"コレ"を埋め込むだけだし」
「ああ、ここまで上手くいったのは初めてだ」
しばらくの沈黙、手術の大詰めに差し掛かる。彼等は今まで100を超える子供たちの強化手術を担当してきた、だがそのどれもが失敗に終わった。だがそれで精神を病むなんてことは無かった。そう割り切れる人間だったのか、それともすでに壊れていたのか。
手術が始まり4時間経過。
「・・・成功だ」
「そうですか・・・え、成功!?」
「マジっすかリーダー!」
どうせ今回も失敗する、それで今回も「データ」道理に上手くいかない研究者共の顔でも見てやろうと思っていたのだが。
「リーダー、手震えてます?」
「・・・ああ、俺は今猛烈に興奮している」
成功か、なんか久しぶりにいい気分だ。今日は朝まで飲み明かしてやろう。
――――3日後――――
目が覚める、病室だ。
「目が覚めたか」
ベットのそばで座っている男が話す。
「あんた誰だ?」
「俺はサルヴァドル・ロム、突然だがお前を買い取ることにした」
いまいち意味が分からないが、この時の俺は付いていく以外の選択肢を考えれる程大人ではなかった。
彼は俺の"父"として接してくれた。サルヴァドルは俺に色んなことを教えてくれた。文字の書き方や、作業用マシンの乗り方など。
曰く、最初の頃は何が起きても無反応無表情だったらしい。
サルヴァのとこにきてもう10年がたった、もし俺があのままアインシュバルの兵士として成長していたらどうなっていたんだろうか。
「どうしたローレン、何か悩み事か?」
「ちょっと昔のこと思い出してただけだよ」
「いつぐらいだ?」
「俺と父さんが初めて会った頃だな。そう言えば聞いてなかったけど、どうしてあの時俺を引き取ったんだ?」
普通、国規模の研究で出来た子供を買い取るんだ、そうとうな金額を支払っただろう。何故?
「・・・俺は昔は一国の兵士だったんだ。」
「あの時お前を見て、「こんな子供まで巻き込むのか」と思った。気づけば俺はお前を買い取っていた。そんなところだ」
「お前を戦争から遠ざけたかったんだと思う」
そんなことを考えていたのか・・・・。
「そろそろ夕食を作るか。ローレンも宿題まだだろ?早く宿題しなさい」
言われるがまま俺は自分の部屋で宿題と対面する。今日は数学から課題が宿題が出ている、苦手だ。
2時間宿題と格闘し、ようやく終わった。そろそろ晩御飯の時間だ。
今日は何だろ?
死星戦争 @kurokuro11223344
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