第2話 チャンス
「それでさ…」
放課後。
俺を含めた難波達は彼の席を囲うように集まった美少女3人と一緒に談笑していた。
美少女3人は相変わらずいつも通り俺に興味を示すことなく、難波だけに視線を向ける。それほど俺は3人にとって空気の存在なのだろうか。
「お〜い! 難波〜!! 今日は一緒に帰ろうぜ!! 放課後に一緒に遊ぶだろ? 」
教室に残る男子達の内の1人が教室の戸の近くから声を掛ける。
「おう! オッケー!!すぐ行く!! 」
難波は男子の声に反応すると、素早く帰りの支度に着手する。
難波は美少女3人からでは無く、男子達とも仲が良い。
「そういうことだから。俺は今日遊ぶ予定あるから。ここら辺で帰宅するわ。じゃあ! 」
難波は美少女3人の返事を待たずに、自身の席から跳ねるように立ち上がり、先ほどの男子達と合流する。
「あ!? ちょっと!! 」
黒髪ロングヘアの美少女の1人の田島愛花が難波に声を掛けようとするが届かない。
難波は全く気にした様子もなく、教室を後にする。
こういうところも気に食わない。
難波が居なくなってからは美少女3人は特に会話を交わすことなく、各々が独自の行動を取る。
田島以外の2人は早々と帰宅してしまう。どうやら3人の間で友情など無く、難波だけが目当てらしい。
田島はどこか悲しそうな表情を浮かべ、難波の席を見つめていた。
おっ。これはチャンスじゃないか?
田島の哀愁が漂う姿を目にした俺は無慈悲にも少なからず期待を抱く。
このタイミングであれば距離を縮めることができる直感的に思った。
まさに絶好の機会。だから俺はチャンスを逃さまいと早速行動を起こす。
「さっき難波に呼び止めようとしてたけど。何か用事があったの? 」
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