第5話 コラボってまじすか?!

初配信から数日経った。


いまだに自分がストワの一員だとは、なかなか実感が湧かない。


そんなことも思いながら、両親が営んでいる喫茶店の手伝いをしていた。いつもの通り常連さんがいるだけで、特に変わったことはなかった。


(エゴサでもするかー)


ふとそう思いTwitterを開いてみると、事前に作っていた猫ノ宮カフェのアカウントはフォロワーが1万人を超えていた。

さすがストワだな〜。ちなみに同期の人たちもたくさん反応してくれてました!


カウンターの裏でコーヒー豆を炊いていると、初めてみる綺麗なお姉さんが入店してきた。


「すいません、1人ですけど行けますか?」

「だ、大丈夫っす、好きなお席ドウゾ」


すごい綺麗な人だな、大学生くらいかな。

ぼくもいつかあんな人みたいになるのかな......

いや、無理だな。Vtuberがんばろ

俯瞰した顔してたら双子の妹が話しかけてきた。


「ちょっとおねぇ、食パンきれてるんだけど」

「ご、ごめん。もう予備なかった?」

「ないよ、買ってくるから店番よろしくね」

「う、うん。ありがと......」


いつも妹はキラキラしてて、高校でも友達がいっぱいいて、誰からも憧れられてるんだろうな......。センチメンタルな気持ちになってるとあのお姉さんに注文を呼ばれた。


「ココア一つ」 

「は、はい。少々お待ちくださいっす」


お姉さんがココア飲むんだ。ぼくもこのココア好きなんだよねー。


お姉さんにココアを提供すると、PCを片手に可憐なる姿で少しずつ飲んでいた。ココアを飲み干すと、素早く会計を済ませ帰って行った。


なんか聞いたことあるような声だった気がするけど、まぁいっか。


店番が終わりスマホを開くとDiscordの通知が見えた。


【Discord】

17:22|春ケ坂さくら

カフェちゃんコラボせぇへん?今、通話できそう?

17:45|できます


やっぱりきた、コラボ問題。

誰かとしなきゃ行けないと思っても、なかなかやる気が起きない。


「わぁっ!?」


メッセージを送ったらすぐに着信が来た。

待たせるわけにもいかず、通話に出た。


「カフェちゃんお久しぶりです、突然でもうしわけないんですけど、明日コラボしませんか〜?」

「へぇ?!」


おかしい、聞き間違いじゃなかったら明日って言っていたはずだ。


「コラボ内容としては、マシュマロを読んで行こうと思うんですけどどうですか〜?」

「あ、それで大丈夫っす」

「んふふ、可愛いですね」


そんなことを言われながら、淡々と進むコラボ会議にうまく脳のリソースが足らず、うまく判断できずにコラボが決まった。


なんとコラボは明日!意味がわからない!


不安そうな感じを察したのか声をかけてきた。


「コラボ......だめですか〜?」

「うっ、ゼンゼンダイジョウブデス」

 

顔を見なくても大体の表情がわかる。

犬のように目をうるうるさせ、上目遣いで落としにきてる!


そんなことがあり明日コラボが決まった。


「マシュマロはTwitterで募集しようと思うのでツイートお願いしますね〜」

「は、はいっす。よろしくお願いします」



♦︎


【Twitter】

【春ケ坂さくら@ストワ2期生】

明日21:00から猫ノ宮カフェちゃんとコラボします!マシュマロ読むつもりなのでみんないっぱい送ってね!初同期コラボだからみんな来てね〜!#さくら日和 #ねこカフェライブ


【猫ノ宮カフェ@ストワ2期生】

そういうことで、コラボすることになりました!うまく話せないかもだけど頑張ります!

#さくら日和 #ねこカフェライブ


明日は頑張ろう!!









  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

コミュ障Vtuberのやり直し!! わどぐらん @gran_X

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ