文学フリマ福岡へ出展し続ける理由

 これはテレビでやっていた。Eテレの番組「ハートネットTV」内でも取り上げられていたが、文学フリマを通じて作家デビューした方がいらっしゃるようだ。そのきっかけを文学フリマが作った、という内容に、私は自分のことのように嬉しかった。


 なぜなら、その方も「心のハンデ」があるからだ。私は勝手に仲間意識を持っていた。


 実際に文学フリマ東京では、こういうことが頻繁に起きているのだそう。文フリとともに全国行脚をする出展者も何人か知っている。仕事はどうしているのか、とか気になったが、楽しそうだ。


 文フリ東京はあこがれの地だ。私も、と行きたいが、旅行となると一人では行動できない私は、当面参加が難しい。


 文学フリマを通じて、文学作家デビューしたい。そういう夢を持っている。人口密度の関係で、東京都に人が集まりがちだが、地方都市でもチャンスはあるのだと思う。そういうことを期待して、新たなファンを生み出したい。読者と交流したい。


 それと、私は欲張りだから、ハンデがあるなしにかかわらず「すべての」人たちに同人文化を楽しんでもらいたい。だから、出展し続けるのだと思っている。


 そのためには文字を変える。日本語が読めないなら英語にだってするし、活字が見えないなら点字にだってする。


 そして、文学フリマは出展側、一般参加者側と関係なく、楽しい。楽しいから参加する。どう楽しいのか、は参加してみないと分からないかもしれない。だが、確実にコミケとは違った楽しさがあると思う。


 知人とアイデアを出して作った塗り絵のコピー本。そのおまけとしてつけた缶バッジをある親子連れの方が購入してくれた。直後に、目の前で服に着けてくれたり、それを見せに来てくれたりもした。文フリが初めての知人は、嬉しくて泣きだしたりしたこともあった。


 また、ある時は「点字が絵になるなんて、画期的だし、とても素敵」と言って購入してくれた方もいた。その方はいったん離れて、終わり間際に再び私のブースに来てくれた。活字を見て読むことができない当事者たちを連れてきてくれて、感想を届けてくれた。生の声に私は感激して、ますます点字の同人誌を発行してよかったと思えるようになる。


 こういった交流が頻繁にある。これが面白くて楽しいし、刺激になるのだ。「また頑張ろう」という活力の源になっている。

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きみは「文学フリマ」を知っているかい? あかつき らいる @yunaki19-rairu

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