第3話 後編(裏)

「……ここ、どこだ?」


 キングサイズ以上の広いベッド、それに俺は裸だ。

 

 何処かはわからないが、ベッド横の時計の日付は9月16日。


 俺は今日の代わりにあの神社で与田を殺……


──LINY〜♩


 は?何で着信が?


 あいつら、を虐めていた奴ら以外の誰の連絡先も登録していないLINYからメッセージが来ている。


 引きこもってからはブロックしているしメッセージが届く訳が……


『与田泉:今日のデートって、10時に東京スカイタワーの墨田区水族園でいいんだよね?』



「……………………………は?」



 よ、よ、与田からデ、デ、デートの誘い!?


 お、落ち着け!

 いつの間に!?俺がいつの間にかやったのか!?

 まずはこれが夢じゃ無いか確認を……いや、そうか。


 あいつらあの俺をいじめた奴らの仕業か。

 死ね、死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね。


 なら今すぐ殺して俺のものに今す……


 ──ピロリピロリリン〜♩


「うわっ!?」


 今度は与田からの着信?

 いいだろう。


 お前の魂胆なんてわかってるんだよ、馬鹿め。


『あ!やっと出た大智くん!もう10時15分だけど今どこにいるのかなって思って……』


「あ、う……」


 やばい、こ、声が……


『もしかして……寝起きかなぁ……?まさか、そんなに負担かかっちゃった?なら、今日は大智くんの家デートに変えようよ。あと約束したけど、は絶対に誰にも、3見せちゃダメだから!もし見せたら…………


「な、えぇ!?」


 自分から死ぬぅ!?昨日のあれぇ?スマホの写真?


 よくわからないがとにかく見てみて……


「ぶおっ!?」


 え!?こ、これ……お、俺と新野が学校で……せ、せ、せっく……


『じゃあ行くね、約束、破らないでね?遅れた分まで……愛してね?』


 通話が切れた、自分から死ぬなんて一体どう言う……


「ふわぁぁ……何?」

 

「うひゃぁ!?」


 ベッドに誰かいる!?


「だ、だ、誰だぁ!」


「うるさいわねぇ……」

「むぅー、ねむたいー」


 宇城蒼葉うきあおば志摩しまきいの!?どうして一緒のベッドに!?


「裸!?」


「は?昨日したんだから当然じゃない、まさか覚えてないの!?」


「記憶ないのは蒼葉りんがだいしゅきホールドしながら大智の首絞めてたからだよねー」


「はぁ!?そ、そんな事してないけど!?」


「私はそのせいでー、1回しか出来てないー」


「は?私もだけど!?」


 ど、ど、ど、どう言うことだ!?

 もう1人の俺!?お前は何か知っているのか!?

 そんな事言ってもあの俺は答えてはくれない。


「って!もう10時20分って!!」


「たしかにー、いずみん怒ってそうー」


 え?何で与田とデートすることを知ってるんだ?


「早く着替え着替えー、それとも……1回する?」


「は?何言ってんの?1日1人1回は皆で決めたじゃない?その約束守らないなら……」


 宇城が鞄から何か取り出す。

 ……え、ナイフ……?



 え?待ってなんで?


「……ふふぅ、じゃあ私もぉ」


 そう言って志摩は鞄から銃の様なものを取り出した。


「ねぇ、大智」

「大智りん」


「な、なんですか……?」


「「どっちとするの?」」


 いや、そ、それは……


「ご、ご、ごめんなさぁぁぁぁぁぁぁぁあい!!!」


 何が、何で、どうなっているんだよ!?




◇ ◇ ◇




「はぁ……はぁ……」


 訳もわからず近くの公園まで走って来たのはいいが何もわからない。


 与田も、宇城も、志摩も全員のものにすべく計画を立てていたはずたのに。


 何が起きてる?

 何が起こった?


 そうだ、スマホの過去の写真、それを全て見てみるか。


「はぶぅ!!?」


 与田だけじゃない、宇城も志摩も、そして十河和佳とうかわかの写真まで……


 まさか、やはりあの俺が……?


「どうした、こんなに大きくして……もしかして私の写真を見て興奮したのか?」


「ひいっ!?」


 十河和佳とうかわか!?いつの間に!?


「どうしてここが……」


「そんなのGPSにつけたからに決まっている、3は知らないがな……それとこれは私が貰おう」


「は?貰うって……ひぃ!?」


 男子トイレの個室に追いやられる形で2人一緒の個室に入ると、十河は俺のズボンとパンツを一気にずり下げ、を口に咥えた。


「おっ……うぅ……」


なんにゃそほほへいひたいなはんほふはなんだその童貞みたいな反応は


 童貞みたいって……童貞なんだよこっちはぁ……


ふぁがたはひなそふへいいだがたまにはそれもいい


 た、たまにはっていつもこんなことしてるみたいな……


けんはへんはいにしたひこんな変態にした責任


 ああ……っ、ど、ど、童貞には刺激が……


ひとたらいぞ、まいふぃとってもらうぞ?大智



 俺を見るその目が……こ、怖い。


 女ってこんな怖かったのか……


 誰か、助けて、く……れ……もう、殺したりなんて、考え、ない……から……



 うっ…………




 ………


 ……


 …





「……あれ?何して……ひぃ!?」


 十河さんが!僕、僕のを……を咥えて!?


おお、ひょうはけんひふゃなおお、今日は元気だな


 今日は!?い、意味が……


ひゃあおおれるほとあーしてふへさぁ、溺れるほど愛してくれ


 あ、む、無理ぃ…………


 ううっ…………





 ………


 ……


 …




「……ん?ここは?って!そとではやめろっていっただろ!?誰かに見つかったら捕まんだよ!」


 意識を失ったと思えば公園にいた。


 うむ、意識がある前はホテルだったし、ようだな。


「だが2回も連続で出していただろう?途中から僕だなんて可愛いな、本当に溺れるかと思ったぞ?」


 2回、僕か。


 今日は最初の殺人が起きる日、つまり絶対に新野の裏、殺人鬼人格が出てくる日だ。


 俺がこの日に向けて備えて来た結果が身を結んだようだ。


 【


 全員が生き残るには当然だが殺人鬼新野がヒロイン達を殺そうとしなければ、そして思わなければいい。


 そしてゲームで新野は全ての女は従順だとか妄想をしていた。

 新野に従順であるはずのそんなヒロインが主人公に靡くのが許せなかったのだ。

 

 それは簡単に言えば、女を知らないから女をナメている。


 そこを突く。


 女をナメてはいけないものだと強く意識させる。


 それは父親の様に欲望を抑圧するのでは無く、逆に欲を解放させることで効果的にインパクトを与えられると踏んでいた。


 とはいえ、表の新野もいたのか。

 俺はどちらかの人格が入れ替わっていたのでは無く追加だったとは。


「んく……今日はこれからどうする?」


「ああ、今日は……」

 

 ……まぁ、何にせよ。


 3


 4人の相手なんて今までよりも楽になりそうだな。













──LINY〜♩



『神狩黎人:新野君、今度はいつ来てくれるの?ボクずっと我慢して……ボクなら誰よりも君を気持ちよくさせてあげられるよ?だって……同じ男どうしだもん』



「…………」



 …………あー、うん。


 これの説明は……うん、なるようになる…………よな?



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【裏】エロゲのヒロインを殺すストーカーに転生したけど可哀想だし捕まるのは嫌なので殺すのやめます〜え?俺とデート?でもその日は主人公とデートする日ですよね?〜 耳折 @mimioreneko

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