第7話 神様ご降臨?
――それから、数日経て。
「どうかした?
「あっ、いえ……ただ、綺麗だなって」
「……へっ? あ、いや、確かに私は
「自分で言っちゃった!? あっ、いえもちろん
放課後、依月神社にて。
どういう経緯か、さながらカップルのようなやり取りを交わす僕ら。……いや、まあどういう経緯も何もご覧の通りなのですが。ただ、それはそうと……うん、なんかすっごい恥ずかしい! お願い、誰かツッコんで!
「……なるほど、そういうことか。ほんと、びっくりしちゃったよ。突然、面と向かって綺麗なんて言うんだから……」
「……あ、はい、すみま、せん……?」
その後、軽く事情を説明すると納得したように答える風奈さん。……あの、風奈さん? 確かに、結果的にはそうなったかもしれませんが……でも、それまで違うとこ見てましたよね? 僕。
ともあれ、本題に戻りまして――結局、何のお話かというと……さっきまで僕が見ていた、境内の隅に凛然と立つイチョウの木についてでして。
「それにしても、随分じっと見てた気がするけど……好きなの? イチョウ」
「……そう、ですね。昔から、イチョウを眺めながら歩くのは好きでした」
「……そっか」
その後、どこか楽しそうな風奈さんの問いに沁み沁みと答える僕。昔、両親と一緒に見に行ったイチョウがあまりにも綺麗で、それからずっと――
「……まだもう少し先だけど、秋になると葉っぱが金色に染まる……その景色がすっごく好きなんだ、私」
「……はい、分かります風奈さん」
「ほんと? だったら、約束しよ? 金色に染まったイチョウを、またここで二人で見るって」
すると、ふとそう告げる風奈さん。真剣な
「……はい、もちろ――」
「…………へっ?」
もちろんです――そう答えようとするも、不意に言葉が止まる。と言うのも――
「…………あなた、は……」
一つに束ねた銀髪を纏う、風奈さんによく似た清麗な少女が茫然した
ともあれ……さて、どうしよう。いや、どうしようも何も、まずはやっぱり――
「……あの、僕は
「――ひょっとして、姉さんの彼氏!? いやーだったら早く言ってくださいよ! 全く水臭いんですから!」
「へっ? あっ、いやそういうわけじゃ……」
すると、目を輝かせ捲し立てる少女。そして、そんな彼女にたどたどしく答える風奈さん。……うん、なんだかごめんなさい。
まあ、それはともあれ……彼女の容姿、そして風奈さんに対する呼び方からも、やはり――
「あっ、自己紹介がまだでしたね。私は
そう、朗らかな笑顔で告げる美少女。お姉さんそっくりの、眩いほどの笑顔で。……うん、まあ、何と言いますか――
「……その、変な――いえ、たいへん個性的なご姉妹ですね」
「ごまかしきれてませんけど!?」
神様へと祈りを込めて 暦海 @koyomi-a
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