SSSランクパーティーから理不尽な理由で追放された僕は実は最強で!!?
黒犬狼藉
第1話
「お前を追放するのですわ」
その言葉に、私は思わずこぶしを握り締める。
冷たく見下すその視線、まるで僕をゴミとしか思っていないようだ。
父様や、あの憎き妹みたいに。
ワナワナと震える拳を握り締め、僕の何が悪かったのかを思い返す。
そう、発端は昨日の朝。
たった10億ルビーの買い物をしただけ、パーティーのお金で。
それもきっちりとリボ払いにしたから迷惑なんて掛かるはずがないのに、なぜか皆が僕に怒り出した。
「お前のせいでパーティーの財布がスッカラカンなんですわ!! 毎月ドラゴン倒してるのに!! というか三日前に殺したばっかですのよ!! ソレで買ったモノが隣国の謀殺された王女の呪われたアミュレットってなにをかんがえてますのよ!!?」
「いや、絶対君に似合うと思ったんだよ!!」
「呪われた国宝を受け取る女がどこにいるのですわ!!?」
そう言い返すと呆れたように剣士兼パーティーリーダーの彼女、改めリリシカは僕の目の前に山のようにガラクタ。
あらため、数億で買った僕の宝物を投げ捨てる。
その半数、もしくはほとんど、或いはすべてが呪われた品だ。
併せて言えば、その殆どはあまりにも呪いが強すぎて解呪できない。
装備すれば即死レベルの呪いが付与されるので、装備もできない欠陥品だ。
「ぜ・ん・ぶ!! 全部差し上げますので即刻!! この宿屋から出て行ってくださいまし!!」
「そんな!! 僕がいなくてどうにかなるのか!!?」
「なりますわよ!! 何回ドラゴン討伐してると思ってるんですわ!!? 最近なんか、もう私と聖騎士の彼女のみで倒してるじゃないですの!!」
「そ、そんな……!!!」
どうやら、彼女は本当に僕を追い出すつもりらしい。
僕は涙を堪えながら、目の前に詰みあがっているゴミの山。
それを見ながら、僕は宿屋を追い出されてしまった。
・・・・
呪いの品を台車に乗せて、夜の街を出歩く。
なんか、リリシカが日中に出歩くなとか言ってきたせいだ。
僕は闇に姿を隠しながら、彼女が用意した一軒家へ向かう。
その家は豪邸というにはほど遠く、精々人が1000人しか入れないだろう。
庭もなく、大きくてもドラゴン二匹しか置けない。
しかも町はずれにあり、普通の人間ならば歩いて1時間もかかるだろう。
まぁ僕は転移魔法が使えるけど、そうじゃなければ大問題になるところだぞ。
本当に、僕が追放されたという確信を抱き悲しくなってくる。
「……、そうか。追放、されたんだな」
自覚を以てこぶしを握る、許せない。
あんな横暴な理由で追放するなんて、僕が何をしたというんだ。
だけど、こうして文句を言っても仕方ない。
僕は一息吐くと、ギルドカードを見る。
SSSランクパーティーを追放された以上、僕は
受ける以来の難易度が大きく上がる、魔王討伐なんかは面倒だからやりたくはないが場合によっては受けなければならないかもだ。
「一から頑張るしかない、そしてアイツらを見返すんだ!!!」
僕は心の中で、硬く決意する。
そうして、僕の冒険が始まった。
SSSランクパーティーから理不尽な理由で追放された僕は実は最強で!!? 黒犬狼藉 @KRouzeki
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