第2話 後編 高よりの中
ぬくぬくだ。心地よい。
翌日は休日だが雪が降った。私は散歩中止の口実に雪を使い、こたつに潜ってゲームをしていた。
「あんた、滅びるわよ」
「お母さん、何回も言わないでよ」
「ぐーたらなのがいけないんでしょ? 今日は雪で寒いからみんなこたつに入るの。占領しないこと」
「お母さんもこたつに入ったら私の気持ちが絶対分かるよ」
「お母さんはね、こたつに何回も入ってるわよ? まあ、少しはあんたの気持ちが分かるけどね」
みかんをこたつの上に乗せて、母はこたつに入る。テレビの電源を入れるとみかんを食べ、時折笑いながらまったり過ごしていた。
用事で外出していた父が近所から帰って来た。早速こたつに入り体を温める。
「こたつはあたたかいな」
「あったり前じゃん! こたつ最強だよ!」
父は横になると、私は脚のやり場に困り始めた。こたつむりは何かとスペースを取る。一家の大黒柱さまを足げにすることに私は抵抗があった。しかし脚を伸ばしたい。私は斜めのこたつむり状態となった。
みんながこたつに集まると少し窮屈だけど、どこか家族のつながりを感じる。私には部屋があるけど居間のこたつに潜ってマンガを読んだりする。部屋に閉じこもって居るのとは違う家族の行動が見える。それが心地よかった。
母の掃除を邪魔したり、寒がりの父の一面を見たり。一人じゃないことが嬉しかった。
外は日が暮れ、雪が降っている。こたつ大活躍の今日、みんなで囲む鍋が心も体もあたたかくしてくれる。
みんな、みんな楽しそうに笑っていた。
最近実家に帰った。
みんなで笑いながら過ごす時間がこんなにも幸せなんて、
いつものこたつが居間にあったが少し寂しそうだった。私は母からこたつに勧められると、母は私に昔話を聞かせてくれるのだった。
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最後まで読んでくださってありがとうございました!
m(_ _)m
こたつといっしょ。 とろり。 @towanosakura
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