転生

輪廻

　「どんくらいの運の配分にする？」

　2037年9月17日、僕は前世で付き合っていた君に問いかけられる。

　ここは、運を人生に散りばめることができる場所。自分の人生のどこにいいことが起きるようにするかを大体で決められる。僕は前世で、人生の始めの方に運がなさすぎて辛い思いをしたから前半の方に多く運を使おう。

　好きでもない君と付き合って、辛いことがありすぎて飛び降りてしまった。だから今度は人生の前半に多くの運を使おう。そんなことを決めて現世に戻る。

　現世で君と会う。ただ、前世の記憶がないから、もちろんどちらもわからない。しかしながら、高校で会って君と仲良くなった。そして、僕から告白して付き合えた。前世の記憶があればそんな事は無かっただろう。このとき、僕は幸せの頂点にいる気分だった。

　しばらく平穏な日々が続いた。しかし、突然君はどこかに消えてしまった。とても辛かった。君が居なくなってしまうなんて。他の人が話していたことを聞いたのだが、僕と付き合ってるのが苦痛だったらしい。それを聞いたのと君がいない悲しみに耐えられなくなって、僕も君に続いてこの世から消えた。

　人生の始めにいいことがあってもしょうがない。今度はもっと人生の後の方でいいことがあってほしい。それまでは辛くてもいいだろう。

　次はいい人生になるといいが。