転生
つばめいろ
転生
「どんくらいの運の配分にする?」
2000年8月2日、私は隣にいる君に話す。
ここは、転生する自分の人生の運の配分を決める場所だ。全員、運は平等に与えられ、人生のどこで良いことが起きるようにするか決めている。ただし、どんないいことが起きるかはわかんない。そして、悪いことも平等に与えられている。しかし、これはどこで起こるか決めることができない。
今回の人生は人生の前半に多くの運を使うことにしよう。
転生前の記憶は消えて、私は現世に舞い戻る。そして、君に会った。当然、転生前の記憶は覚えていないわけだから、二人とも仲良かったことなんて知らない。だけど、同じ高校で、また会って仲良くなった。
そして、なんと君と付き合えた! 私は人生全ての運を使い果たしたような気がする。それだけ君のことが好きだった。しかし、そんな幸せな時間も長くは続かなかった。
君が屋上から飛び降りてしまったからだ。遺された手紙には
「君と過ごすのはもううんざりだ。人生の不運をかき集めたみたいだった」
そう書いてあった。結局、君は帰って来ることはなかった。君に嫌われていたとしても、それはとても辛かった。だから私も後を追った。
また、転生の場に戻ってきた。人生の始めの方に大きないいことがあっても意味ない。もっと人生の後の方に運を使おう。
2037年9月17日、転生の場でまた君に運の配分をどうするか聞く。
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