第2話 涙・・・命
このお話は実話です。
1990年中頃までは野良犬はたくさんいた。
役所が野良犬駆除をやっていた時代
駆除のやり方はあまりにも、今の時代には考えられない時代である。
新しい家族が増えた我が家。
さらに1977年僕に弟ができた。
父母と僕と弟とジン。
五人家族です。
ジンも四歳になり大きくなりました。
ジンは雑種で白と茶色が混ざった可愛いとは言えませんが、普通の犬です。
ジンは全く吠えません。番犬にもなりません。
四歳になったジンは大きくなり家の中で暮らすほど大きな家ではなかったため、外に畳一畳ほどの頑丈な犬小屋を父がつくりました。
ジンは首輪はしていますが、放し飼いです。
人懐っこい性格と全く鳴かない犬だったので近所の人にも可愛いがられてます。
ジンが五歳の時予防注射をしてなかった為、重い病気に、ジステンバーです。
当時の病名だと思いますが、ジステンバーと言う事はおぼえてます。
当時は動物病院も少なく治療費も莫大な金額。
そんなお金もなく治療はできません。
ジンは死を待つしかないと言われた。
父は震えが止まらないジンの身体を毛布でくるみ
当時の万能薬、正露丸。
ジンの口に入れても呑み込まない
水分も呑み込まない
父は正露丸を砕いて自分の口に入れ、ジンの口に入れ息を吹き込む様に与えた。
ジンの喉を流れて行くのが解った父は
水分も食物も柔らかくして与えた。
一週間位続けた父はその夜
「もう、ダメかもしれない」
「震えは止まったが呼吸が弱々しく」
父は震えた声で言ったのを覚えてる。
僕は母に抱き付いて泣きじゃくった。
母は姉の所に電話を
姉もジンを見て泣いた
1997年弟ができた3ヶ月後の出来事。
僕の父
享年72歳
病室で父と話した
「ありがとう。」
「大丈夫。」
ジンの死を覚悟した夜、父はジンの側で眠りについた。
夢だかなんだったか解らないが
「ありがとう」 「大丈夫。」
聞こえた時目が覚めた父の顔を
舐めるジンが目に入ったらしい。
その出来事をあの時は覚え出さなかったらしい父。
目が覚めたらジンが元気になっていたと当時は父は言っていた。
死を間近にした父は今頃になって思い出したと言った。
「あれから何年になるのだろ。」
父は笑みを浮かべて言った。
この奇跡の復活から奇妙な出来事が
ジンの死後33年の今になって色々と思い出してきた。
当時は全く違和感がなったのはなぜ?
ジンと僕の家族18年間の出来事を話したいと思います。
先読みの犬 ジン アメデオ @kouji0727
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