先読みの犬 ジン

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第1話 出会い

このお話は実話です。


1973年の春、僕は産まれた。

父はトラックドライバー。母は左足が短い障害者の親から産まれた。


家の近くに7つ離れた従姉の双子の姉が住んでいます。


姉が小学一年生の夏、帰宅途中にプラスチックの箱に仔犬が5匹いた。

どの仔犬も泥とペンキな様なもので汚れていた。その箱の隅に丸まってブルブル震えて姉を見る仔犬。姉はその仔犬を抱き抱え残り4匹に「ごめんね。」と家路を。

家の近くまで帰ってきた時、双子の姉は顔見合せ同じ様に「うちでは飼えないよね」と、肩を落とした時、後ろから車のクラクションがなった。

僕の父が帰ってきた。

姉は声をそろえ「おじさん仔犬が!」

父は直ぐに解った。飼えないからおじさんが飼ってっと。

姉と父で仔犬を風呂場に連れて行き綺麗に洗ってあげた。

父は姉に「今日からおじさんが飼うね」

クチャクチャになるほどの泣き顔か笑い顔かわからない顔の姉「ありがとう!名前はジンね」と言って家に帰って行った姉。

その夜、父は母に不可解な言葉を言っていた。ジンを洗っているときに姉と父の三人だけなのにどの方向から聞こえてくるのかもわからないが確かに三人は聞こえたらしい。

「また会えたね」

母は意味が解らなかったらしが適当に話を流した。

保育所から母と僕が帰ってきた夕方。

1976年三歳の夏。ジンとの出会いである。

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