第4話

数ヶ月が経ち、ようやく手足が動けるようになり、リハビリが始まった。


というのも、運動不足で筋肉が弱まっているのも一つだと思う。


手足が動くようになって、少しは感動する。


『今まで看護だったからの〜(笑)』

(うるさいな〜)


まあ、たしかに恥ずかしかったりはした。

トイレだって動けないから、謎の物を看護師(女性)にあそこを入れてやるのは少し恥ずかしかった。

というか看護師の人温かい目を向けてきたな。

その目がまた痛くて...


「柊さん?」

「おっと。ごめんごめん何だっけ?」


「もう、聞いていなかったの?」

彼女は松山まつやまかえで。同じ中学生3年生だ。彼女は先に病院にいて、もうそろそろ退院するらしい。


「あたし、ずっと病院にいたんだけど、高校受験だけは出させてくれて、受験したんだよ。そうしたら何と受かったんだよ!すごいでしょ!」

「へえ、すごいな!そんなこともあるんだな!」


「へへへ」

彼女と話すのも楽しいと感じる。でも、彼女が顔をしかめることも…

「柊くん!!」


あ、来た来た。仁那瞳さんが。

「むうう...」

(・・・。やっぱり彼女が来ると顔を顰めるな?)


「こんにちは!柊くん!…と、松山女狐さん?」


(???なんか怖っ...)

なにか含みのある言葉に、僕は冷や汗を感じた。


「ええ、こんにちは?え〜と、誰でしたっけ?」

「あらあら、こちらはちゃんと名前を言っているのに、そちらは呼んでくれないんですね?」


(…なんか冷えるな?)

『手を焼いておるのう...クックック…』


(笑い事ではないよ?なんとか仲良くして欲しいんだけど…)

僕は内心でツッコんだ。まあ、僕と一心同体のような彼にはわかるんだけどね。


『無理じゃろうな』

(なんで!?)


女子おなごの戦いには入りたくないからの』


(戦って...まあそんなような状況みたいになっているけど…)


「とにかく!」

わざとらしく声を出して、瞳さんが振り向いてきた。


(もう終わったのね、戦争が…)


「私は柊くんと話をしにきたんです!」

「それを言うなら今はあたしが喋っているんだから待ちなさいよ!」

(…前言撤回。まだ終わっていなかった。僕は中立国の立場だからな。むやみに強国女子たちに関われないんだよ。)

僕は心のなかで、そう呟いた。

『そう言っておるが、ただ単に女子二人だと話しかけづらいんじゃろ?(笑)』

(そ、そんなんじゃないよ!?)

『どうだか(笑)』

そう言いながら、彼は笑った。

「じゃ、じゃあ僕はこれで…」

「「駄目です!!」」

「ええ...」

なんで僕を開放してくれないんだろう?

『もう腹が痛い(笑)』

こっちはこっちでウザイし...

「いや僕、この後リハビリしないといけないから」

「「・・・。」」

女子は目を合わした。

数秒間経ち、

「そうだね、リハビリは大事だね」

「早く行ってきなさい」

と、急に賛同しだした。怖い。

『ふむ…まあ良い。早く言って治すのが先じゃろう』

確かに、と僕は思った。一刻も早く治して高校生活を楽しまなきゃな。

「じゃあ行ってくるね」

「「行ってらっしゃい」」

そう言って僕は出てった。

ーーーーーーーーーーーーーーー

「柊くん、もう行ったよね?」

「うん、行ったね。さて、」

そう、柊に出ていってもらったのは女子会をするためである。主にラブコメの。

「ネット小説の新作のラブコメ、めちゃくちゃいいよね!」

「わかる!誰にもわからない言語でデレているんだけど、主人公だけがわかるって特別感あって良いよね!私、妹を推す!家ではツンなところがあるけど、裏ではお兄ちゃんのことを愛しているというところが禁断の愛みたいでめっちゃイイ!」

「わかる!私は男子生徒からは嫌われていて、女子にはモテモテの男の妹を推すわ!あなたが大好きですアピールがすごく出ている!私にはできないわ!そして運動神経も良いなんてすごすぎでしょ!」

ほら、ラブコメ小説のことを話しているでしょ?

「まあでも…」

「「柊くん(さん)のほうがすごいけどね!!」」

「まだそういった話が出てないだけかもしれないけど、助けてくれたことは、ヒーローに見えたわ!」

「へえ〜、私もいじめられていたときに助けてもらったんだけど、白馬の王子様みたいにかっこよかった…!」

「「柊くん…」」

もう二人は柊に恋をしている。ただ柊は気づいていない。鈍感だから。周りの変化には敏感だけど、ラブコメだと鈍感になる。


…何だこのラブコメ主人公みたいなのは?


「でも、やっぱり日本だと重婚はできないからね…」

「最終的には一人に決まってしまうからね…」

「「勝負だね!!」」

この病室に小さな戦争…いや、桃色の戦争ラブコメが始まろうとしていた。

誰が柊の一番お嫁さんになるか。それが、女子間の中で戦争が起きる要因であった。

ーーーーーーーーーーーーーーー

ちなみに、リハビリ室に行っていた柊は

『で、どっちが好きなんじゃ(笑)』


普通に問い詰められていた。


(そそそんなことはどうでもいいからさ、早く体を治すよ!)

じゃと!?お主、色恋をなんだと思っておるのだ(怒)!学生の華と言ってもよいほどじゃぞ!』

(……。まあ分かるけども!それはそれ、これはこれ!)

『むう…。まあ致し方ないしのう...』

彼は納得していないようだ。


『そういえば気になっておったのだが、彼はやめろ!鳥肌が立つであろう!』

(じゃあ適当に、すめらぎでいいね。ハイ決定〜)

『なんか我の扱いが酷いような…?まあ良い。そのリハビリというのやらが終わったら、訓練するぞい』

(え?なんの?)

『武術に決まっておるだろう。そうじゃな…師匠を選出するか。また後で変わるぞい』

(ええ〜めんどくさいな〜)

『うるさいのじゃ。変わるんじゃろう?ならば鍛えないとな。誰かを守るには強さがいる。強くないと守れない。お主の強さはそこまでじゃ』

(キツイこと言ってくれるね…よし、やるか!)

『それでこそもう一人の我じゃ!』

こうして、強くなることを僕は決意した。


作者も布教しま~す。

【ラブコメは……えっもう来ている?そんな馬鹿な(笑)】

https://kakuyomu.jp/works/16818093085808457433

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