第五章・影のゆらめき

 深い森の中。

 出木杉は古い言葉を思い出す。


 三つの指輪は、空の下なるエルフの王に、七つの指輪は、岩の館のドワーフの君に、九つは、死すべき運命の人の子に、一つは、暗き御座の冥王のため影横たわるモルドールの国に。


 あれは……ただの寓話ではなかった。安雄を巡る戦いの古い記録の一部だったのだ。


 「……あのな、お前のことをお前と言っているが、それはお前の名前じゃないんだぞ」

 「無ければ、『お前』は待機します」機械猫は素直に答えた。


 うわああああああーーーーーーーッ

 突如、通路の奥から悲鳴。武が飛び込んでくる。


 「……あっ、そうか」ここでやっと武は、そのことに気づいた。


 那古屋城近辺、家老ドラえもん家所有の武家屋敷で、彼らはかつて一度だけ集まったことがある。

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