「雪」

◇―――シーン1:宇宙船インデスターのブリッジ



アリス:副艦長、今日のミッションは何かしら?


マーチ:艦長、今日は「雪」を熱エネルギーに変換することが可能か?

    これを検証するミッションです。ぷりんぷりんッ。


ジョン:記録係のジョンであります。ブりんブりんッ。

    てかさ。なんで「雪」をエネルギーに変換しなきゃいけないのさ。

    家庭ゴミを燃やしてりゃ、電力つくり放題じゃない?


アリス:資源は無限じゃないわよ。

    それに物を燃やしても質量は変わらないのだから、

    それだけ大気を汚染してしまうわ。


マーチ:確かに、艦長。

    でも、雪をエネルギーに変換するなんて、

    ちょっとロマンがあるじゃないですか。ぷりんぷりんッ。


ジョン:まあ、確かに。じゃあ、やってみようか。ブりんブりんッ。



◇―――シーン2:惑星スノーラビットに到着



アリス:ここが惑星スノーラビットね。雪が一面に広がっていて、美しいわ。


マーチ:艦長、あそこに何か動いているのが見えます!


ジョン:あれは…雪うさぎだ!…って、違うか。あれはただの雪だるまか。


アリス:ジョン、集中して。

    私たちは雪を熱エネルギーに変換する方法を見つけなきゃいけないのよ。



◇―――シーン3:実験開始



アリス:さて、実験を始めましょう。まずは雪を集めて、

    熱交換器に入れるわ。


マーチ:了解です、艦長。ぷりんぷりんッ。


ジョン:ブりんブりんッ。よし、雪うさぎを集めるぞ!


アリス:ちょ、ちょっと待って!?

    ランフ(雪うさぎの肉)じゃないわよ!


    思い出して、ジョン!

    私たち(ちょいデブな)仲間じゃない!!

    そんなことをして、いったい何に、なるのよ……。


マーチ:ダセぇ に無税。仏の黒子 に念仏。


    まるで意味がありません。――が、しかしッ!

    とくに、ありません。ぷりんぷりんッ。


ジョン:なんだよ、ないのかよ。ブりんブりんッ。


アリス:それじゃあ、みんな。おさらいをするわね。

    雪をこの熱交換器に通すことで、周囲の熱を吸収させて溶かし、

    その過程で得られる熱エネルギーを利用できるかを

    確認するためにやってきたのよ。


    実験が成功すれば、宇宙船の動力炉の熱を吸収させて溶かし、

    雪を作り出して、無限ループ。

    余ったエネルギーで、私生活の為に電力へ変換する!


マーチ:氷つくれよ…。

ジョン:ブりんブりんッ。


◇―――シーン4:予想外の結果



アリス:熱交換器が動き始めたわ。温度が上がってきている…あれ?


マーチ:艦長、何かおかしいです。熱交換器から煙が出ています!


ジョン:えっ、まさか…爆発するんじゃないよね?



◇―――シーン5:おもしろいオチ



アリス:みんな、落ち着いて!…あれ?熱交換器の中から何か出てきたわ。


マーチ:これは…ホットチョコレート?


ジョン:なんでホットチョコレートが出てくるんだよ!

    でも、美味しそうだな。


アリス:どうやら、雪を熱エネルギーに変換する実験は失敗したけど、

    ホットチョコレートを作ることには成功したみたいね。


マーチ:ぷりんぷりんッ。結果オーライですね、艦長。


ジョン:ブりんブりんッ。まあ、これも一つの成果ってことで。

    それじゃあ、ホットチョコレートで乾杯しよう!



◇ つづく

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