自称神と生意気青年

和藤内琥珀

出会いの師走

「妾は神である」

「妾って一人称身分が低い人が使ってたって聞いたんだけどもしかして最近の流行りに乗って習慣とか疎かにする系神様?」

「一人称なんか人の勝手であろう?? あと舐めた口きくな」

「……」

「返事せんかい!」

「口を利くなって言ったの誰?」

「……。まあいいわ。妾は寛大だからな、許してやろう」

「本当に寛大な人は自分で寛大なんて言わないと思うけど」

「それでだな、お主にはこの街を救ってほしいのじゃ」

「人の話聞いてる? 神様だから聞けないのか…残念」

「…、神様怒らせたらどうなるのか分かって言っておるのか?」

「怒らせたことないから分かんないよ」

「どこぞの国の海の神は怒ると地震を起こすのだぞ!」

「どこぞのって…それギリシャのポセイドンでしょ。記憶力低いの? 神様なのに」

「神にも得手不得手があるのじゃ!」

「面倒くさ…なんでこんなことに」

「お主が妾を祀る祠を聖夜だとかなんとかのウェイ族になってぶち壊したから様子を見に来たところちょうど良さそうな奴だったからじゃ」

「うっわぁ、神って気まぐれ」

「お主が祠ぶち壊したのが悪いんじゃろ! あと気まぐれで何が悪い」

「開き直るなよ」

「まあ、妾は寛大だからな。祠を壊したことは許しておるぞ」

「怒って様子見に来たのに???」

「お主、文句ばかり言いおって…街を救う気はあるのか!?」

「ないよ自発じゃないんだから…。あと日曜朝のあれとか妖怪と友達になるあれに出てくるみたいな謎の街の危機何??」

「それはな…」

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自称神と生意気青年 和藤内琥珀 @watounai-kohaku123

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