雪の精霊

ゆうり1412

第1話

 ここはとある小さな町、シュネー。

 シュネーは、12月になると本格的に雪が降り始める雪国の中にあった。

 そんな町に、1人女子高生、イダはいた。幼いころに両親を亡くし、たった1人の祖母とまだ学校に行っていない、年の離れた妹アルマと3人暮らしだった。


 「イダ、外の雪かき頼めるかしら?」

「うん、分かった」

祖母と言っても、まだ50代だから、家事はしっかりできる。そのため、イダは、雪かきや妹の世話をすることが多い。

 外に出たイダは、スコップを持って、降り積もった雪を道路の端っこに寄せた。

 ふと、昨日までの大雪とは裏腹に、綺麗に晴れた青い空を見つめた。久しぶりの晴れだなぁ、、、そう思っていたとき、

 「ねぇ!そこの君、ちょっと助けてほしいんだけど、、、」

どこからか声がした。振り向くと、雪の中に女の子が埋まっていて、顔だけ雪から出ていた。あまりに突然の出来事で驚きつつも、イダは女の子が埋まっている雪を別のところに寄せてあげた。


 やっと雪の中から出ることができた女の子は、とても綺麗な顔立ちで、白と水色のワンピースを着ていた。髪の毛はハーフツインにしていて、イダより少し年下くらいだ。イダは、一体どこの子だろうと思った。

 シュネーはとても小さな町のため、イダは町のほぼ全員の顔を知っていた。

 だから、この子はきっと別の町の子だろうと思った。


けれど、それは違った。なぜなら、


 「助けてくれてありがとう!あたしはネーヴェ。雪の精霊よ」

と、その女の子が言ったからだ。


これからの話は、この2人による友情、そして町を守る話だ。

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雪の精霊 ゆうり1412 @yuuri-33

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