神様、異世界でメガネって需要あります？

第4話

地球の裏事情はさておき、いやさて置くのも変だがそんなものだと受け入れよう。自動心読返信モードとやらも便利なのでそのままで問題ないだろう、もし今後不都合があれば設定変更出来るようだし。

「２０才になるそうだが見た目とかは変えられないのか？」

【はい、まず年齢は全員２０才スタートで地球での誕生日を起点として歳をとります。性別については本当の心の性別が反映されているので転生時に変化した方もいらっしゃいます。見た目につきましては『みりょく』ステータスを上げるか特定のジョブの効果で変化していきます、一部のジョブ以外は特別な効果をもたらしますがほとんどの場合見た目は地球よりも大きなポイントにはなりません。もし身長等を気にされているのであればジョブ『整体師』『医師』等のスキルで若干の調整が可能です】

見た目に特段不満があったわけではないがモテなかったからな。もしイケメンに生まれ変われるならと想像した事はあるさ。聞けばもっと詳しく教えてくれるのだろうが今はいいだろう、気になるのはステータスについてだな。

【ではステータスの説明に入ります。先ほどの画面に表示されていたようにこの世界の住人は２０才が成人となり、成人した時点で全員がステータス・ジョブを獲得します。ステータスは全員がオール１、そこにジョブ効果でプラスされます。ジョブによって必要なステータスに違いはありますがジョブレベルがアップした際に手に入るポイントは自由に割り振る事が出来ます。ここまではいいでしょうか？】

「続けてくれ」

【例えばジョブ『剣使い』なら『ちから』が重要なステータスとなり攻撃力に直結します。ただし『すばやさ』が無ければ攻撃スピードが遅いままで強敵に攻撃を当てるのは難しくなるでしょう、『ぼうぎょ』が低ければ受けるダメージが大きく『せいめいりょく』が低ければ少しの攻撃で死んでしまう可能性もあります、『うん』が良ければ急所に当たる事もあるでしょうし運良く生き残るかもしれません。しかしそんな戦闘職が『みりょく』がいくら高くても敵は倒せませんよね？しかし外に出てモンスターを倒すつもりがないのであれば『みりょく』を上げて『ホスト』にジョブチェンジしてもいいでしょう】

「つまり自分がなりたい未来に向けてステータスを割り振らないと後悔するって事だよな？」

【そうですね、最初から目的が決まっているのであればそれに向けて計画的にステータスを割り振る事をオススメします。ただし救済システムも準備されておりますが説明は必要ですか？】

「いや、それは今度でいいや。ある程度分かってきた」

適性とやらが高いからか何となくイメージが出来た。ゲームでも良く見る設定だ、画面上確認する限り割り振れるステータスは最大１０、レベルが上がったらどのくらいのポイントが貰えるのだろうか。後は俺のジョブが戦闘職なのかどうかだ、おそらく生産職だとは思うがここもしっかり確認した方がいいだろう。それによって今後の立ち回りも結構変わってくるぞ。

【基本的にはレベルが１つ上がる毎に１ポイントが手に入ります。鏡様を例に出すと『きようさ』ステータスを１つ上げるには４ポイントが必要です。簡単に言うと次のステータス値と同様のポイントが必要になります。更にジョブレベル上限に到達するとそのレベルに応じたボーナスポイントが入手出来ます】

また新しいワードが出て来た・・・

「ジョブレベルが上限とかってのはどういう事だ？」

【現在鏡様は『下位職』と呼ばれるレべル１～１０のジョブグループに該当します。ジョブは最大５段階目まで進化し、各ジョブレベルが上限になると神殿にてジョブ進化が可能です。基本職であればレベル１０に到達した際にレベルと同等の１０ポイントがボーナスとして入手可能です】

・・・めちゃくちゃ複雑なんだが？これ適性とやらが低い元おっさんとかだと理解出来ないんじゃないか？これ深堀りしたらとんでもなく時間掛かりそうだぞ。

【鏡様の『メガネ使い』は生産職の中でも若干戦闘が出来るという評価です。戦闘力を１０段階で評価するのであれば一般職が１、生産職が５、戦闘職を１０、『メガネ使い』は６くらいでしょう。こちらの世界で生まれた住人には一般職というジョブもあり大きく３つに分類されていますが転生者の方のジョブはこちらにはない特別なジョブが多いです。『メガネ使い』もステータスの割り振りと鏡様のスタイルに応じてオールマイティに活躍できると思われます】

「生産職という訳ではないのか？どうやってメガネで戦うんだ？」

【使用可能スキルは端末で確認出来ます。初期スキルは『鑑定』です、現在の熟練度では安全な物が緑、危険なモノは赤に見えます。熟練度によって効果も成長しますので頑張って使いましょう。今後獲得するスキルは転生者用オリジナルジョブなので神次第となります、鏡様の行動次第でどのようにでも変化していきます、鏡様が望むのであれば戦闘用のスキルを覚えるはずです】

「結局戦えるスキルじゃないじゃないか・・・」

【使い方次第です、例えば町でナイフを買って装備したとしましょう、そうすると鑑定で勝てそうなモンスターは緑で表示されますのでより安全に戦う事が出来るはずです。赤く表示されているモンスターは避ければいいのです】

「なるほどね、どんな相手か分からずに舐めて掛かって死ぬ事はないってことだな」

メガネで攻撃用スキルがない内は普通の戦闘方法になりそうだな。部屋にあった姿見で自分の姿を確認したが２０才頃の自分よりは若干健康的な肉体のようで薄っすらと筋肉質で身長は１７０ｃｍくらいか、黒目黒髪は変わらず本当にモブって感じの見た目だ。折角の筋肉質な身体もメガネがあるだけでなんとなく頼りない感じがしてしまう。そういえばこの宿屋にはいつまでいられるのだろうか。

【現在はチュートリアルという扱いです。最大７２時間までは待機時間としてカウントされていますので外の世界からは遮断されています、部屋から出た時点でサバイバル開始となります。その後再度部屋を使う為には受付で正規の利用ポイントを支払う必要があります】

「ポイント？貨幣ではなくて？」

【この世界では全て個人に紐づいた端末によるポイントが貨幣の変わりとなります。端末は自分の意思で出し入れ可能で紛失や不正利用はありません。また強制的にポイントを使わせるような行為は犯罪となりますのでお気を付けください。例として最弱カテゴリーのモンスターはステータスを獲得した成人であれば問題なく倒せます、１体で約１０ポイント、一番安いパンが１つ１０ポイント、宿屋の利用には一番安い部屋で１０００ポイント、冒険者ギルドの大部屋なら１００ポイントが必要となります。水は神殿に行けば女神の湧水が飲めますし、モンスターが落とす戦利品の売買や食用も可能となっておりますのでよほどの事が無い限り飢え死にはないでしょう。】

すごい最先端？タッチ決済みたいなものだろう、しかも不正利用がないとなれば安心だ。不思議システムって事で納得するのが楽だな！深く考えるだけ無駄だ、これもシステムの影響か？後は何を考えるべきだろうか、今後の目標を立てるにも情報がまだまだ足りない。