その報酬を、安いと思うか、高いと思うか

「都市伝説」として語られている本作

具体的な内容などは一切知らされずに
淡々と行われていく「治験」

ささやかな期待、そして落胆
それは次第に小さな不信感となり、不安へと変わっていく

臓器売買
そして
アカウントの乗っ取り

現実に存在しているそれらは、
一体どのように開始され、遂行されているのだろうか

権威者による命令に対し、一個人は無力である。
圧のある者、あるいは無感情な者。
それらも、被験者を洗脳するためのひとつの罠であるのだろうか

一部の権力者は市民を駒のように操る。
「代わりはいくらでもいる」
「他でも代用できる」

被験者は自分を納得させ、次第に無感情になっていく…
「報酬をもらうためだから仕方ない」
「自分で選んだのだから仕方ない」
「生きるには困らない」

傷つき、自身の存在すら不明確になったとしても
被験者は選んだ選択の結果を受け入れ、呆然とするしかないのであった…

その他のおすすめレビュー

タカナシ トーヤさんの他のおすすめレビュー464