第3話「出版」
私は二百枚に及ぶA君の手記を全て読みました。
にわかに信じがたいその内容とは・・・
番組収録中、キャストに取り憑いた悪霊を除霊しようとして起きた事故、事件を放送予定のP局が番組そのものを無かったことにし隠ぺいしようとした・・・しかしそんなことより重要なことは、除霊により絶対開けてはならない「地獄の門」が・・・
内容の残虐性からここで全てを語ることは出来ません。
私はA君の手記を鞄に入れ、管理会社に鍵を返却し局に戻りました。
原稿は私のデスクに保管し、今はA君のことを考えています。
プロデューサーの私は出版社に知人も大勢います。
しかし他局で起きた事件を当事者でもない私が出版社に持ち込むことは出来ません。たとえ持ち込んだとしても、事実確認や残酷描写の改変を迫られることは間違いありません。もちろんこの手記の内容が著作権に抵触する可能性も大いにあります。
しかし私はA君が探し当てたこの事件を公にする責務があると考えています。
どうすれば良いのか・・・
一週間考えそして結論を出しました。
私は出版社に持ち込むのを断念し、A君の名義(筆名)で、kindle電子書籍(アマゾン)にて一般公開することにしました。
なぜなら・・・
一切の改変を行わず、しかも他者の力が及ぶことなく真実を知りたい人だけに届けることができる、と考えたからです。
この選択が正しいかどうかはわかりません。
kindleで公開した手記『最終回 それは千年の時を超えて開く地獄の門』に気付き、今もどこかで取材を続けているA君から連絡があることを私は心から願っています。
©2025redrockentertainment
kindleアマゾン『最終回 それは千年の時を超えて開く地獄の門』公開中
『呪われた最終回の謎』 redrock @redrock5555
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