第4話 八年後
目の前には干からびた
未だ息をしている
『レベルが上がりました。99→100へ上がり上限に達しました』
私は思わずガッツポーズをしてしまった。
これが達成感。
なんて清々しいのだろう。
しかし、喜びに浸るには少々早かったようだ。
『【来るべき日】がやって来ました。特殊条件が満たされていることを確認しました。これより【
まずい。
これは所謂強制イベントみたいな物か?
急な眠気に襲われ太郎はその場に倒れ伏した。
◇◇◇◇◇
『進化が終了しました。【権能:彼岸】を会得しました。続いて【星の意思】から【称号】を授与されます。称号【冥府ノ王】を獲得しました』
脳内に響き渡る声で意識が徐々に覚醒していく。
太郎はすかさずボードを開き閻魔羅闍の容姿を確認する。
ツノは黒から銀色に変わり髪は黒のまま。身長は2メートルを超える筋骨隆々な肉体だが進化前と比べ全体的に小さくなった気がする。
それよりも以前と比べ醜悪極まりない顔立ちから一変し強面の色黒に変貌、より人間のような姿に変化している。
良し。
とりあえず容姿に関しては花丸だ。
問題は種族の性能だろう。
いつもの如く頭に流れてくる情報を整理していく。するとどこからか潮の香りがすることに気がついた。
太郎はその匂いのする方へと向かうと鬱蒼とした森が開け海岸に出ることができた。
「海か」
異世界にも海はあるのだと海岸に波打つ音に抱かれてノスタルジーに浸った。
その後情報の整理が終わり改めて進化と権能、そして称号に関する情報を確認する。
最初は閻魔羅闍についてだ。
これは進化を拒み、膨大なエネルギーのストックに加え、常に死地の中にいたことで発現した冥府の名を冠す権能を複数所持していたからこそ引き起こった特殊な進化らしい。寿命が無くなり、死なない限り肉体は永遠に老いることが無くなった。それ以外の性能に関しては人間と大して変わらない。
過去、【不老者】の血を巡り戦争が絶えなかった時代があったという程のとんでもない希少な種族に進化したのだ。
しかし、太郎は不老に関しては眼中になく【人間と大して変わらない】という部分に対し大いに歓喜していた。
次は権能【彼岸】についてだ。
固有異界【彼岸の大地】への行き来ができるようになったらしい。そこに咲く彼岸花の数だけ死ぬことはなく、権能【餓鬼】による他者から吸収した生命エネルギーを元に彼岸花を咲かすことができるようだ。
実質不老不死だが、逆を言えば彼岸花が尽きれば死ぬことになる。
そこに努力の余地があるのならば問題ない。
チャンスが増えると思って前向きに捉えよう。
現在のストックは6666輪とかなりのストックが溜まっている。恐らく先程倒した
○これまでに会得した権能
10
20 地獄
30 煉獄
40 餓鬼
50 修羅
60 畜生
70 天国
80 奈落
90 楽園
100.:【
最後に称号についてだが【星の意思】が認識したその個体の呼び名が称号と呼ぶらしい。正直【星の意思】がなんなのかはよく分からない。
頭の中を整理し終え、当時の目標であったレベルMAXに至ったことから次なる目標は【健康で文化的な最低限度の生活】を目指すことにしよう。
いざ、原始人脱出である。
次の更新予定
二度目の人生努力の鬼となる ピョン太郎 @Kanesama0709
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。二度目の人生努力の鬼となるの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます