第1章#04 覚醒


 晴人にはそれからしばらく警察の事情聴取が続いた。

 目撃者の証言も一致し犯人は何かの創作物に毒された通り魔と見なされ、メディアなどでも取り上げられて何の関係もないコスプレイヤーがやり玉に挙がり評論家たちから叩かれるという状況になっていた。

 さらにこの時に子供が一人行方不明となっていることもあり、誘拐事件の可能性もあるとも報道されていた。

 晴人の身体のほうはその後驚異的な回復力で医師たちが驚くほどに傷が完全に塞がり直ぐに退院が決まった。

 だが身体の傷は治っても心の傷までもが直ることはない。

 ついこの間まで何事もなく普通に接してきた相手がもう存在しないことが信じられずとても辛く悲しい状態だった。そしてそれと同時に犯人に対する憎しみや不可解さも同時に渦巻いている。

 あの姿や凶器、人間離れした身体能力の高さなどどう見ても狂ったコスプレイヤーには思えなかった。本物の魔者なんじゃないかと思える程に人間の体力と比較しては次元が違う相手に思えてならなかった。


(レイカさんあの時から全然俺の前に現れないな、まるであの相手を知っているような口ぶりだったし……)


 大怪我を負わされて意識がもうろうとしていた中での微かに聞こえたレイカの言葉が思い出される。それとあの時に身体に埋め込まれた何かも気になった。たぶんそれが原因なのだろう、瀕死の重傷を負わされたにもかかわらずこうして元気でいられるのも不思議でならなかった。


「まずはレイカさんに会おう。色々と心配だし、それに訪ねたいこともある」


 それまでスマホには何度もメールや電話をかけてはいたが全く返信は無い。退院したその足でまずはレイカが住んでいる借家に無駄かもとは思いつつ向かう。

 いくら玄関のチャイムを鳴らしても全く反応がないのですぐそばに住んでいる大家に尋ねたらあの日以来戻っていないと言われる。次は働き口に向かうもあの事件の直後に突然辞めてしまったと聞かされた。

 半ば諦め気味でもしやと思いつつ自分の家にも戻ってみたが姿はやはり無く残念な気分になった。

 だがそれと同時にあの日に出かけた時と変わらない家の中の光景が丁度夕暮れ時なのも相まって気を滅入らせた。


(……自宅とはいえ、ここに帰って来るのは正直辛いな)


 その空間には和気藹々としたあの光景は二度と戻ってこない。孤独な気分から途方に暮れ脱力気味にソファーに腰掛けたその時、スマホから発信音が鳴った。

 心配してきた友人や親戚からの電話だろうと発信先を見たらレイカの名前がそこにはあった。慌てて電話に出ると思わず口調が強くなってしまった。


「もしもし!レイカさん!?今までどこにいたんですか!何の連絡も無くて心配したじゃないですか!」

「……ごめんなさい……」

「いや、その、つ、つい口調が強くなって……無事なんですよね」

「大丈夫よ、今のところは……」

「無事なら良かったです。……母さんと彩花のことは聞いてます?」

「……ええ」


 電話越しにすすり泣く声が聞こえていた。しばらくの沈黙の後、晴人は静かに訪ねだした。


「ねえレイカさん、俺に色々と隠してることありますよね?例の通り魔の事とか」

「本当はもう合わない方が良いとも思ったのだけど……そうね、どうしても話しておかなければならないわね。これから会うことは出来る?」

「すぐにでもそちらに向かいます、どこに行けばいいですか?」

「十九時に白山公園の空中庭園でいいかしら、あそこは広いし今の時期なら夜だと人も来ない場所よ」

「わかりました、今すぐ行きますね」

「……待ってるわ」


 そう言うとレイカは電話を切った。人が多いN潟市に潜伏するあたり地元にはもう危なくて居られないのだろう、かなり警戒しているのが理解できた。

 早速身支度を調えると直ぐに自宅を出て近くのバス停から駅へ行き、そこから電車に乗ってたどり着こうとする。

 だがその晴人の近くに一人の報道記者のような風貌の男がいた。当人は今まで気づいていなかったが病院からここまでずっと後を付けてきている。夢中になって気が回らなかったのか、それともその男の尾行が上手いのか、そうとは知らずにバスや電車に揺られながら目的地へと向かっていった。 




 目的地の待ち合わせ場所には一時間程で到着した。予定の時間にはまだ少し余裕はあったが、辺りはすっかり暗くなって人気は無くなり街灯には明かりが灯っている。

 待ち合わせのその場所は円形の水を張った庭園で、その真ん中には石畳の橋が掛けられていた。周囲にある桜の木々はまだつぼみの状態で冷たいそよ風に揺れている。

 そしてその桜の木の下に彼女の姿があった。


「……レイカさん、無事そうで良かったです」

「ごめんなさい、突然いなくなって」

「色々話してくれませんか」


 神妙な面持ちで話し始めるレイカに身を引き締める。今までの生い立ちの事や例の通り魔の事、これからどうしたいのかも知りたかった。晴人はそれを聞いた上で彼女の力になりたいと思っていた。


「……晴人君、事件のあった朝に好きな小説の事を話してくれたわよね。異世界がどうとか」

「ん?ああ、たしかライトノベルの話ですよね。なんでまたこんな時に」

「こんな話をしたところで簡単に信じては貰えないでしょうけど……私はね、あなたたちの間では空想の世界とされてる、その異世界から転移魔術で逃げてきたの」


 晴人は一瞬ポカンとした。


 この状況この流れで突然戯れ言のような話を聞かされ、どういう事なのかと頭の中が整理出来なくなっていた。

 普段の真面目な姿をよく知っている晴人は、そんな話を至って真顔でしているレイカの事が不思議でならなかった。


「……あの、こんな状況で急に何を言い出すんですか。本当のことを話して下さい」

「ウソや冗談なんかでこんな話をしてるんじゃないのよ。あの人間離れをした凶暴な魔者の存在や、あなたを治療するための癒やしの光、あれがこの世界に存在すると思う?」

「いや、でもいくら何でも異世界って……」

「アルスの国なんてこの世界には存在しないわよね、でも向こうの世界には本当に存在したのよ!内戦のあったあの国から船で逃げてきたんじゃないの!あの魔者たちに追われて、姉様の犠牲でこの世界に転移されて……。あの時よ、雪の降る夜にあなたに助けられたあの日、私はこの世界に来たの!」


 あまりに荒唐無稽な話でにわかには信じられない。だが完全に否定できない事がいくつも思い浮かんだ。

 会って早々スラスラと日本語を喋ったり、怪我の手当をして貰ったらすぐに治ったり、テレビやスマホの他にビルや車や電車を見てカルチャーショックを受けている姿には微塵も偽りが感じられず、いくら別の国から来たといっても「この人っていったい何者なんだろう?」と内心思っていた。

 身体を切り裂かれて死にかけたあの事以外にも不思議な事が今まで多くあり、異世界から来たことが仮に本当だとしたら納得はできた。


「この世界に来て嬉しかったわ、いつ殺されるかわからない程に身の危険を感じることなんか無いのだもの。でもそれは間違いだった、私さえこの世界に来なければ有里子さんや彩花ちゃんも死なずに済んだ……他の人たちもみんな災難に巻き込まれずに普通に暮らして行けた……それが私が来たことであんなことに……」


 泣きながら話をするレイカの姿に晴人は困惑していたが、その時背中の方から突然男の声がした。


「オイにいちゃん、その女の話は全部本当だ!」


 後ろを方を振り返ると記者風の姿をした男がそう言いながら近づいてくる。レイカはその姿を見るとハッとした顔になり身震いしだした。


「ちょっと、急に話に割り込んできてあなたは誰なんです?今は二人で話をしてるんだから邪魔しないでもらえますか」

「そう機嫌を損ねるなよ。でもまあこの格好じゃあオレが誰だかにいちゃんわかんねぇよな。ならこの姿なら見覚えあるだろ」


 男はたちまちにして姿を変え、あの時母親と妹を無残に斬り捨てた凶悪な魔者の姿へ変貌を遂げる。


「お前はあの時の!」

「病院からずっと後着けてたの気づかなかったろ?でもそのお陰でその女に会えたから礼を言わせて貰うぜ。しかしあんな深傷でよくまあピンピンしてるな」

「レイカさんの言ってる事、まさか本当に!?」

「オレもな、その女と同じ世界からつい最近こっちへ来たんだよ。ソイツの言う転移魔術ってヤツでな」

「転移魔法陣は姉さまがあの後消去してくれた筈、それなのになんでこの世界にあんたが居るの!?」

「消去はされてたよ、でも修復可能だったからまた直したんだ。正しくは直させた、お前の姉にな」

「ウソ言わないで!姉さまがあんたたちに協力する訳が無いわ!」

「ウソじゃねえって。初めは拷問で攻めても頑なに拒否してたが、他の仲間が魔力で脳をいじってやったらスラスラと答えて……」

「やめてーーっ!」


 青ざめた表情のレイカが耳を塞ぎながら悲鳴のように叫んだ。


「おいおい自分から聞いてそれはねえだろうがよ。ったくもうめんどくせえから徹底的に痛めつけてサッサと終わらせてやるよ。もちろん例の物もよこせ。それとにいちゃんはここまで連れてきてくれた礼で見逃してやるからこのままどっか行きな」


 そう言いながら魔者が詰め寄る。だがレイカの前には晴人が立ちはだかり合気道の構えをする。


「逃げて!」

「晴人君!?」

「なんで庇ってんだ?その女がこの世界に来なけりゃにいちゃんの家族だって死なずに済んだんだぜ?それだけじゃねえ、そこいらのガキだってオレの御馳走にならずに済んだんだ」

「最近子供が行方不明になっていた事件もお前の仕業だったか!」

「ああそうだよ、それをあの時お前の妹に見られたんで消そうとしたらあんな大騒ぎになったんだ」

「それが理由で母さんも彩花も理不尽に殺されたのかよ!」

「だからよ、どれもこれも今までの不幸な事件はその女が大本の原因なんだよ。色々な厄介ごとをこの世界に持ち込んだ張本人なんだよ」

「身勝手な理屈こねやがって!レイカさんはただこの世界に逃げてきただけだろ!それをしつこく追いかけて罪悪感を煽って!悪いのは全部お前だ!」

「……はぁ、このまま逃げればいいものを、バカな奴!」


 その言葉が言い終わるかどうかと同時に魔者が襲いかかる。だが晴人は間一髪でそれをかわすと腕を掴んで合気道の技で投げ飛ばす。


「今のうちに!早く!」

「やめて!ダメ!」


 打撃技が通用しないことはわかっていたので攻撃をかわしては投げ飛ばすがそれも二度までだった。本気になった魔者は鉤爪を大きく振ると避けて態勢を崩した晴人めがけて鉤爪を一直線に伸ばし、とうとう腹部に凶刃がグサリと突き刺さる。


「ううっ!ぐぅっ!」


 晴人は腹部の激痛から逃れるために引き抜こうと両腕で放そうとするが、相手は更に深々と差し込むため晴人の右肩を左手で押さえるように掴んで凶刃の右腕をメリメリと押し込み、遂には背中から鉤爪の刃先が飛び出した。


「晴人君っ!」

「調子に乗るなよ、クソガキ!」


 串刺し状態から遂に身体は天高く突上げられ、そのまますぐ側にある公園の水面に叩きつけるようにうち捨てられた。その身体はピクリとも動かず水面は見る見るうちにその場を赤く染める。


「いやぁぁーーーっ!晴人君!晴人君っ!」


 泣き叫びながら近寄ろうとするレイカを魔者は腕を掴んで邪魔をする。


「あーあ可哀想にな、オマエのことを見捨てて逃げ出すの期待してたら格好付けて馬鹿見やがった。これで今度こそあのにいちゃん本当に終わりだな。なあレイカ、お前これでとうとう何もなくなったな。姉はあの後死んだし、こっちの新しい家族もこれで全員死んだ。どんなもんだ?全てを失った絶望的な気分をもう一度味わうのは」


 レイカはアルス王国を脱出するときの姉の姿を思い出した。「どんなに辛い状況でも、生きることを諦めてはいけない」と言ってくれたあの言葉、「普通のしあわせな人生を送って」と送り出しあの時の光景。

 八神家での家族ぐるみの付き合いも思い出となって甦る。右や左もわからないのに良くして貰い、生きる喜びを感じていたこの二年間も全てが打ち砕かれてしまった。

 何もかもを失ってしまったレイカは涙を流しながら両膝をつき、呆然とした姿で絶望に打ちひしがれた。




 「…………」


 水面にうち捨てられた晴人は凶悪な相手からレイカを守れなかった無力さに打ちのめされ、再び生死の境を彷徨っていた。

 心臓の鼓動も弱々しくなり今度こそこのまま死んでいくのかと諦めかけたその時、頭の中にあの謎の声がまた聞こえて来た。


―お前は何故立ち向かっていった?

(……またか。誰だ?)

―凶悪な相手に負けると知りながら、何故お前は立ち向かったと聞いている。

(またその質問か)

―今回は逃げて生き延びる事も出来た筈、何故それをしなかった。

(そんなの違う!間違っている!どんな状況でも、どんな相手でも、引き下がってはいけない時があるんだ!)

―それで死ぬとわかっていても立ち向かって行ったのか。面白い奴だ。

(笑えよ、後悔はしていない。悔しいけどな)

―力(ちから)が欲しいか。

(力?なんだよそれは)

―このまま命が消えてもいいというのなら止めはしない、だが奴らに打ち勝ちたいのであれば我が力を貸してやる。

(あんな人間の力を超えた凶暴な奴に勝てるのか?)

―どうする、力が欲しいか。

(ああ欲しい、あの人を守りたい。それにアイツがのさばったら今より沢山の犠牲者が出る。あんなロクでもない外道を叩き潰すことが出来るなら、その力が欲しい!)


 心の底からそう思った瞬間、再び戦う勇気が湧き上がり、体中に力が段々とこみ上がり心臓の鼓動が力強く動き出した。


―ならば我が力を貸してやる。その力で好きなだけ暴れてみるがいい、行け!


 その時、横たわった晴人の地面に赤い魔法陣が表われて光り輝いた。


「……あれは……あの光は!?」


 気力を失い魔者に引きずられそうになっていたレイカだっだが水面から赤い光が輝きだしてその方向に再び目をやる。

 見ると身体が赤く光った後、よろめきながら立ち上がる晴人の姿がそこにある。

 紅い軽装鎧を身にまとい、両手は爪の尖った紅い籠手が装備され、その容姿は闘うための武装がされている。

 紅く染まった怒髪天、目も紅く光り全身から禍々しい闘気を放っている。


「晴人君その姿は……まさか覚醒を!?」


 強引に引っ張ろうとする魔者も紅い光り出したその先に気づくと途端に驚きだした。まさに鬼神のような恐ろしい姿がそこには存在している。


「ん?な、なんだあいつは!?」


 敵のその言葉が言い終わらないうちにあっという間に間隔を詰めて懐に飛び込むと腹部に拳を叩き込む。

 苦痛に顔を歪めながらうずくまる魔者とレイカとの間に入ると、彼女を庇うように立ちはだかる。


「……ぐっ、はあっ、何だ急に、その姿にその力……まさかお前!?」

「……よくも今まで散々やってくれたな、このド畜生!」


 外道の顔面に左脚による回し蹴りが炸裂する。

 吹っ飛んだ先の石橋に叩きつけると、よろめきながら立ち上がった所をすかさず間を詰めて間髪入れず腹部、顔面を交互に右の拳を無数に叩きつける。

 血を吹き出しながらよろけた相手にさらに手刀による一撃を相手の左肩から右下へ切り裂き、次に反対側から左手による右肩からも斜めに叩き込むように切り裂く。

 反撃する間も与えられず身体にエックス状の深傷を負い、その傷から血しぶきを上げながらもがき苦しむ魔者は為す術がなくとうとう命乞いを始めた。


「待て、待ってくれ、悪かった、オレの負けだ。もういいだろ、もう二度とやらないから見逃してくれ!」


 両手のひらを前に出して“待ってくれ”をやる右手の鉤爪はボロボロに砕けて見る影もない。沢山の命を奪った凶器はそこにはもう存在しなかった。

 だが完全に鬼と化した晴人は全く耳を貸さない。右手の指を顔のあたりでバキバキと鳴らすとトドメの拳を相手の胸へ渾身の力で叩き込んだ。


「イャアアアーーーッ!」


 雄叫びを上げて激しく叩き込むと敵の胸部は陥没して肋骨が背中から飛び出した。

 陥没した胸部からは赤く発した熱は段々全身に行き渡る。ヒビが入りだしそこから灼熱の炎が漏れ出すと最後に魔者の姿は木っ端微塵に吹き飛んだ。

 そして爆発後は燃えカスになり消し炭として跡形もなく消えてゆく。

 覚醒後は全く戦いにならない一方的な殺戮といってよかった。敵は今まで散々やってきたことが最後に自身に返ってきたのである。


「これが力……あの謎の声が言っていた力か」

「晴人君!」


 レイカが側に近寄ってきた。その声に振り返ろうとした際、水面に映る自身の姿が目に入った。その姿は普段鏡で見ていた自分の姿と大分違い、軽装鎧のような物を身にまとった別人に近い自分の容姿であった。


「これは!これが今の俺の姿なのか……いったいどうなってるんだ!?」

「…………」

「レイカさん、何か知ってるんだろ」


 振り向きながら訪ねると、レイカは静かに答えた。


「ショッピングモールで重傷を負わされた際に私はあなたの身体にあのペンダントの宝石を埋め込んだの。そうすればかなりの負傷でも魔力によって回復が早くなるから」

「それであんな死んでもおかしくない大怪我でも助かったのか……」

「だけどね、その宝石の本来の使用方法は治癒のみではないの。人間の身体に強力な魔力を宿すことで戦闘力と防御力をめざましく上げさせるものなの。今のような姿になってね」

「奴の言ってた例の物、赤い宝石、もしかしてこれが……」

「その赤い宝石は魔族相手にも対抗できる数少ない力、禁忌の魔術実験から生み出された魔術兵器よ」


 晴人はとてつもない物を身に宿したことに愕然とした。今回の事件が彼や彼女にとって魔族と幾度にも渡って戦うことになるこれがその始まりだった。



 ―第1章 END

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

紅蓮の魔法拳士 睦月レン @dyb110324

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ