綺麗か否かより驚く

小道けいな

綺麗か否かより驚く

 それを見たとき、私は「ひゃ」と声をあげた。

 いや、じっくり見れば特に驚くことはないものだった。

 植物だから品種改良したためにそういう物になったのだと考えることができるからだ。

 それに、その花が美しいと考えたから製品化され、私が「ひゃ」と衝撃を受けた声をあげることにつながった、だけ。


 とはいえ、製品化されたものだからといって、万人受けするわけではない。

 たとえば、某地域のソフトキャンディは「まずい」と言うのが売りになってしまっていた。あの味わいがたまらないという人もいるのだから、味の捉え方は千差万別。

 不味いと評判でも売れないよりいいのか? いや、一回、おいしくなったといわれてブーイングもあったような?


 それとか、過去に珍しいと買った夏季限定のソフトキャンディ。私たちの口には合わなかったんだ、キュウリの生臭さ爆発という感じで。でも、昨今、夏季限定で復活しているのを見た。改良されたのか、私たちの味覚に合わないだけで実は、美味しいという人が多かったのかもしれない。


 さらに、国産ではなく海外からの商品だと、また難しいものがある。

 その国の人たちと私たちで味覚がやはり違う。おいしいというものが共通することもあろう。でも、片方が「おいしい」といい、もう一方が眉を顰めるということもありうるのだ。

 味覚によっても違いが出る。


 なお、とある果物の菓子を土産にもらったことがある。大体が匂いから「二度とない」といっていた。一人は癖になるって食べていた。ただ、加工の仕方によって、おいしいという人が増えるものもあった。

 結局、先入観と味覚であり、個人差がある。


 話が離れていくが、私が見て驚いたそれは、ヒマワリだ。

 ヒマワリと言えばシュと伸びた茎に葉を広げ、てっぺんに大輪の黄色の花を咲かす。その花びらの中心は結構大きく、どーんとこげ茶色。種になるところだ。

 ヒマワリも色々あって、私の膝くらいにしか育たない品種もある。

 だから、それも品種の一つなのだととらえれば、問題ないが……。

 思わず悲鳴が出た。

 いや、だって、ヒマワリは茶色い丸の周りに黄色い花びらがついているのだよ?

 だから、茶色い丸の部分も、ふさふさと花びらがあるのは違和感がたんまりあるものではないか?

 ――わかってる、先入観だって。

 これも、品改良の一環だって。

 でも、こう……目に留まるところにあると不安に駆られる――私が見ているのは巨大な菊なのか、それとも何か知らない植物なのか、と。

 ああ、ま、馴れの問題だろうね……。


 ただし、あれ以来、あのヒマワリは見たことがなかった。

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綺麗か否かより驚く 小道けいな @konokomichi

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