第2話 魔法少女になったよ?それが、どうした!
俺、永禮 怜、29歳は魔法少女になりました。
「やったね!」
そう合いの手を入れるのはもちろんあの自称天使のキツネだ。
と言ってもそいつは武器である俺の身長程もある杖に姿を変えていた。
・・・ちょっと言い訳をさせて欲しい。
そもそもこうなったのはこのキツネが泣き落としをしてきたからで────
「レイは意外とちょろいからね〜。」
────好き勝手にこいつは言っているが、俺はちょろくない。
まあ、でも・・・
「魔法"少女"って言うくらいだからもっと幼い見た目になってしまうことも覚悟していたんだが」
今の俺の姿は15歳前後の女の子だ。
男の時の180cmを超える長身は見る影もなく、160cm前後の身長に控えめな胸、顔は自分で言うのも恥ずかしいが正直かわいい、と思う。
服装、つまり魔法少女の衣装は
紺色のゴシックロリータのようなドレスに、同系色のハイソックスである。
青みがかった銀髪と合わせると全体的に青系統に統一されかわいいと言うよりクールな印象が強い。
ついでにこの杖になった、もはやキツネかどうかも怪しい自称天使についても紹介しよう。
今のこいつは先程も言ったように杖だ。
全体的に白っぽく、パッと見は分かりづらいが柄には装飾が浮き出ている。
先端には三日月のようなオブジェがあり、その先の尖った両端の間には淡く光るクリスタルが存在していた。
「なあキツネ、俺以外に男で魔法少女になった奴はいるのか?」
ふと気になり、聞いてみる。
そうすると杖のクリスタルが明滅して答えが返ってくる。全くどうやって杖の身体で言葉を発しているのか。
「レイ以外だと確か3人いたよ〜。
あ、でもそのうち2人はもう亡くなってるね。」
これは聞いて良かったような悪かったような・・・
「それとレイ〜!
いい加減、僕のことをキツネ呼びするのやめてよ〜。僕の名前はヨミだ!」
確かにもうこいつはもう相棒と言っても良いくらいの存在だ。いつまでもキツネ呼びはおかしいだろう。
「分かったよ、ヨミ。
でも俺も、いや私ももうレイじゃない。
レナ、私は魔法少女レナだ。」
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俺が魔法少女?それが、どうした! あまりゅう @amaryu
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