俺が魔法少女?それが、どうした!

あまりゅう

第1話 魔法少女になれる?それが、どうした!

俺は永禮怜ながれ れい

29歳。独身。会社勤め。


突然だが、俺は最近1つの悩みを抱えている。

ストーカーされているのだ。

いや、付き纏われていると言うのが正しいか。


「れ〜い〜、そろそろ魔法少女になる決心はついた〜?」

「だから、俺は魔法少女にならないと何度も言っているだろう。」


もう何度目になるか分からない問答を行う。

そう、この俺を魔法少女に勧誘してくるコイツこそが悩みの元凶である。



始まりは3日前。

いつものように20時過ぎに退社し、21時には家に着いていたと思う。

ここまではいつもと変わらなかった。

特筆すべきこともない日常だった。


そして玄関を開けて「ただいま」と言う。

一人暮らしであるため、当然「おかえり」の言葉は帰ってこない・・・はずだった。


「おかえり〜、レイ。」


声がした方に目をやる。

そこにはデフォルメされた白い狐のぬいぐるみ?のようなものが鎮座していた。


そのゆるい感じの生物は、同じくゆるい感じの話し方で俺に向かって声をかけた。

「レイ、僕と契約して魔法少女になって欲しいんだ。」



それが出会いであった。

もちろん、契約なんてするわけがない。


僕たちは天使?

魔法少女のサポーター?

地球と魔界が繋がった?

魔物や悪魔が攻めてくる?

それが、どうした!


第一、俺はそんな魔物や悪魔なんて見たことない。このキツネ型自称天使が本当のことを言っているとも限らない。


だから、

俺が!魔法少女になることなんて!!絶対に、完全に、完璧に、全璧にないのである!!!!!!


・・・振りっぽくなってしまったが

断じて振りではないからな!


という訳で目下の課題は

やはりストーカー、もとい怪しげな自称天使に離れてもらうことなのだ。

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