全てが私と正反対な君へ
@2011_127
第1話
君は全ての事に全力で必死だったよね。
そんな君に比べて私は、全ての事がどうでも良くてこんな人生いつまで続くんだろう何て考える日々だったよ。
だから私は、私と全てが正反対の君にどんどん心惹かれていった。
私の世界は全てが君色に染まっていた。
君は格闘技が物凄く上手くて強いチームに入っていた。
頭は少し悪かったけど、格闘技の練習で疲れていても勉強も休む事はなくて、夜遅くまで忙しそうだった。
なのに、君は毎日私の電話に付き合ってくたよね。
今思えばきっと、私みたいな全て頑張っていない人間は君からすれば心底嫌いだったはずなのに。
今日は学校に行ったんだ。今日は外に出たよ。何て私が言うと君は凄く褒めてくれたね。
私何かより君の方がよっぽど大変で凄いのに。
私は一度も君を褒めれなかった。寧ろ妬んでいたかもしれない。
私は君の優しさ全てが辛くなった。
君が優しくしてくれる度に自分と君を比べるようになってしまった。
だから君に当たった。
「君のその優しさうざい。嫌味にしか聞こえない。」
君の顔は戸惑っていた。
違う。そんな顔見たい訳じゃない。
やだ。やめて。私の前でそんな顔しないで。
そんな気持ちとは裏腹に言葉が止まらない。
「ずっと電話もしたくなかった」
「思ってもないのに褒めないで」
「話したくない、関わらないで」
違う電話は私にとって救いだった。
君が褒めてくれるだけで頑張ろうって思えたの。
君がいない世界なんてつまらない。君が私の全てなの。本音を伝えることが出来なかった。
この日以降、君が話しかけてくる事も無かった。
それと同時に私の世界から色が消えて行った。君と出会う前の私の日常に戻って行った。全てがなくなった、そんな感覚になった。
何ヶ月経ったんだろう。
そんなの分からなかったけど肌寒くなってきた頃かな。
君に彼女が出来ていた。
何でだろうな。何ヶ月も経ったはずなのに。
君への気持ち何か全てとっくに捨てたはずなのに。
涙が止まらない。まだ感情が残ってたんだ。
今更だけどさ、笑うと目尻にできるシワとか、会うと電話の時と少し違う声とか、寝ちゃった時いびきかいちゃうとことか、君の全てが好きだったんだよ。
君の優しさ全てを彼女に注いであげてねお幸せに。
全てが私と正反対な君へ @2011_127
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