第2話 病院(前編)

 この2話目は長いので、とりあえず前後編に分けました。



 まず、いきなり病院から(『男の娘』の上、結婚歴もないのに)私の『元妻』が骨折で入院した…との連絡が。


 で、すぐに見舞いに行ったのですが、脚を折ったものの元妻は元気そうだったので、まもなく私は病室を後にしました。


 ところが、なぜか以降も私は同病院にとどまり、その廊下の長椅子に座って、何か・・を待っています。


 すると、あの漫才コンビ『サンドウィッチマン』の伊達さんが近づいてきて、私と話を始めました。


 さらに、相方の富澤さんも来て、背後から伊達さんに負ぶさったりして、ジャレています。


『本当に仲いいんですね〜』


 なんて、私が微笑ましげに言ったところで、もう一人、見知らぬ中年男性が現れ、


『今度、韓国に帰ることにしたよ』


 そう告げてきました。

 

 それに対して『あ、そうなんですか。残念ですね〜』と、皆でやり取りすることしばし…いつの間にか私だけ、なにやら暗くて広い倉庫のような待合室に入っていました。


 そして、相変わらず何かを待っていると、そのずっと奥の方から、微かに私の名を呼ぶような声が…


 そうかと思えば、事務員さんとも看護師さんとも、また男性とも女性ともつかぬ人が、こちらにやって来て、


『『ナマタメ』(生田目、生天目?)さんいらっしゃいますか』


 などと周囲に呼びかけ始めました。


 そこで私が、


『ナマタメじゃなくって、〇〇じゃないのッ』


 ちょっと憤った感じで言ったのは、なんとなく私の本名とそれ・・の響きが似ているので、その人が思い違いをしていると思ったからです。


『あ、では〇〇さん、どうぞ』

 

 そう、やはり思い違い。言われて、はたと気づいた様子の彼(彼女?)が、私を促してきました。


 一方、すくと立ち上がるや私は、その彼(彼女)の後に。どこへ向かうのかも分からぬまま、共に歩き出しました。



                  後編につづく


 


 

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