第2話

「俊、どうしてオンナ遊びしてるの?」

俊のクラスメート、立出涼(たちいでりょう)

が放課後、後ろの席から俊の頭を教科書で

叩いた。

「イてーな、なにすんだよ」

涼は俊の天敵のような存在で、俊は

どうも涼にだけは頭が上がらないのだった。

「答えろ」

「立派なヤクザになるためだよ」

「アホ」

涼が大きなためいきをついた。

「アンタ、恥ずかしいとはおもわないの?」

みんなちゃんと人生設計してまっとうな

道をあゆもうとしてるのに、将来、立派な

ヤクザになりたい、だなんて、親御さんが

聴いたら泣くよ」

「どっちも死んだ」

「草葉の陰で泣いてるよ。そのうえ喧嘩にばくち、

なにひとついいことしてないじゃない」

「ほっとけ」

「わたしはね、おなじ人間として、おなじ種族として

愚行に走っているアンタを黙って見ているわけには」

「ブス」

「テメエ、いま、なんつった⁈」

「ブス、どぶす」

「ぶっ殺す」

「そこ、なに話してる?」

担任の荒川がふたりの話に割って入った。

「俊、あとでケリつけるからね」

涼が俊から体を離した。

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不謹慎にもホドがある‼ @k0905f0905

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