私が、王だ!!
- ★★★ Excellent!!!
読了したので書きます。
海賊といえば『パイレーツ・オブ・カリビアン』のイメージが強いですが、歴史自体は古いです。紀元前のギリシア時代、古代ローマから暴れ、最盛期には国家を形成するほどの勢力を持つに至っています。ポンペイウスが討伐を強行するまでその暴威は続きました。
しかし、その中に1人の「女王」が居たということは知りませんでした。
名はテウタ。かの民族が記録を殆ど残していないため詳しいことは分かっていませんが、紀元前の地中海でギリシア都市国家、古代ローマを相手に縦横無尽に暴れました。
比較的女性に寛容だった古代ローマではあっても、基本的に「女王」という存在は珍しい。しかも、18とあまりにも若いです。
であるからこそ、無鉄砲さと野心と舐められたくないという虚栄心が同居した男社会の中で奮闘する女王の造形があるのでしょう。読んでいるとテウタが必死になって戦っている姿が浮かんできます。
最後は古代ローマの歴史が示す通りなのですが、花火のように一時のアドリア海に輝いた「女王」の伝説を見てみませんか?