第25話

「笹本。昨日はごめん」


放課後、笹本を待ち伏せして引き留めた


「あ‥うん?」

笹本は気まずそうに相槌を打った


「もし良かったらLINE教えてよ」


今まで無視しといて、何を言ってるんだ、と思ったけどダメ元で聞いた


「え?‥‥うん‥」


微妙な返事だったけど、笹本がLINEの画面を開いたのが見えた。

教えてくれるらしい。

俺は心でガッツポーズをした。


階段に向かって廊下を歩き出した俺に笹本はついてくる

俺の友達一覧に笹本が追加された



昨日、誰に追いかけられてたの?

喉元まで出かかった言葉を飲み込んだ。



「笹本の家ってさ、小学校から変わってない?」


「‥うん」


「じゃあ俺の家の近くいつも通ってるんだ?」


「あ、そうだね」


「昔はよく俺ん家来たよね」


「ほんとだ、なんか懐かしい‥」


笹本は小さく笑って切なそうに遠くを見た

まだ会話がぎこちない。


「久しぶりに来る?」


「え?」


「俺ん家」

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夏休みの秘蜜 りさの伊柚 @risanoiyu

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