あなたのハルがキレイ
雪方ハヤ(fengA)
あなたのハルがキレイ
朝木 「ハッシュタグ……学園、恋愛っと!」
朝木燐は高校二年生、小説家だ、とはいえ電子小説でしか書いていない、
国語が大の苦手で、発想やアイデアはいいけど、文法や文の構成があまりにも酷いのせいであまりバズらなかった。
朝木 「よし!今度こそ絶対に……」
「アニメ化してみせる!」
しかし現実は残酷だった。
朝木 「観覧数6か……ありがとうございます……」
たとえ観覧数が少なかったとしても、しっかり見てくれた人には感謝を伝えてきた、
しかし来年には受験が待っているため、今のうちにヒット作を作らないといけなかったのだ。
朝木 「はぁー俺はいつアニメ化できるんだろう……」
そして次の日、学校へ向かう途中。
白凪 「おっはよ〜りんたん!」
朝木を呼んだのは、彼の親友、白凪羽矢(しらなぎはや)だ。
※りんたん 朝木燐(あさきりん)のあだ名
朝木 「おはよー」
白凪 「俺この前さぁ、お前の"僕の彼女が可愛すぎる"って作品読んだけどさぁ、」
「文法に少しミスがあったけど、設定とかストーリーとかめっちゃ面白かったよー」
朝木は笑顔で
朝木 「ありがとーこれからも頑張るよ!」
そして学校につき、国語の授業でレポートを書くことになった。
先生 「さて、今日はレポートを書いてもらいます、テーマは"自分の理想の未来"を三千字でこの時間で書いてください」
するとクラスではザワザワし始めた。
クラスメイト1 「嘘だろ!!!三千字のレポートをこの90分でかけってこと?!」
クラスメイト2 「無理だろこんなの!?」
しかし朝木は黙々とペンを動かした、朝木は何度も三千字の小説を書いたことがある、電子小説で書いたため、多少違和感があるが、困ることではない。
朝木 「よし!小説を書くイメージでやればいける!」
そして開始後30分で起承転結の"承"まで書き終えることができた、それを見た友人の白凪は……
白凪 「まじか?!りんたん、もうそんなに書いてるのか?!さすがだな……」
しかし朝木は苦笑いで
朝木 「いえいえ、僕はミスが多いから、推敲する時間が人一倍かかるからさ、だから……羽矢も自分のレポートに集中しな?」
白凪はとても申し訳なさそうに
白凪 「ごめんごめん!そうするよ!」
開始後80分、全てのストーリーと推敲を終えた朝木はさらに見直している。
朝木 「さっき推敲したら結構なミスがあったなーもっと見直さないと……」
そして時間になり、全員分のレポートを回収した先生は……
先生 「後日、これらのレポートに評価をつけ、返します、なので楽しみにしてね」
といい、先生は教室から出て行った。
朝木 「はぁー疲れた……」
するとクラスメイトたちが集まってで騒ついてきた、朝木が近づくと……
クラスメイト1 「まじすか?日留川さん、レポートなんも書いてない?!」
クラスメイト2 「書いてないって絶対C評価でしょ?!」
原因は日留川姫歌という女子が、国語のレポートで何にも書いてないこと、日留川は学年の中でも可愛い人ランキングトップ3には入れるほどの美人だ、
また、彼女は画力がとても高く、漫画家でありつつ、鮮やかな白色の髪の毛に深海の美しいような碧眼、ツルツルな肌でみんなから憧れている。
日留川 「だってわかんないもーん!!絵しか描けないよ〜!!」
朝木 「(心の中で)まさかあの日留川さんがレポートを書かないんだなんて…まぁいい、関係ないし」
っと思い、その場から去った。
そして次の日、レポートが返された、他の人からの情報によると、ほとんどの人がB -、学年でもA+は二人しかいないらしい。
白凪 「やばいなー、全然できてねぇ、りんたんはいいなー、小説書いてるから推敲までいけてるから」
朝木は苦笑いで言った。
朝木 「いやー俺も不安だよね、推敲のとき、結構ミスがあったからなー」
そしてレポートが返された
白凪 「はぁーBかーまぁいいや」
しかし朝木のレポートの評価枠には力強いA+が書かれていた。
朝木 「よっしゃ!」
白凪は羨ましいく言った。
白凪 「りんたんいいなー、さすがだわ……」
そしてこの時間はレポート返し、ポイント解説で終え、満足感を得た朝木は水道へ向かい、水をくもうとしている。
この学校の水道への道はとても細道で、暗い、生徒から"暗黒の通り"と呼ばれている。
朝木は少し怖がりながら歩いている。
朝木 「ひぃーー、暗いな…」
?? 「りんたん久しぶりぃ!」
っと爽やかしい綺麗な女性の声が届いた、その声はまるで声優界のトップなボイスのようだった。
朝木が振り返ると、その人は竹乃綾璃(たけないあやり)、学年の可愛い人ランキング、学力ランキング、性格ランキングで全て一位というほど、
みんなから好かれていた、まるで光っているような美しい赤とオレンジがミックスした髪、人間各部位が全てパーフェクトだ、
実はそんな彼女は朝木の元カノだった。朝木があまりにも小説だけ目にしかなかったから、竹乃が朝木を振った。
朝木 「あやりんじゃん!久しぶり!」
※あやりん 竹乃綾璃のあだ名
朝木は振られた側だったが、彼女のことを憎んでいなかった、
なぜなら彼女は学園のミス・ナンバーワン、自分には竹乃の彼氏になる資格はないと思ったから。
竹乃 「レポート…A+だって?」
っと竹乃は興味深く聞いた。
朝木 「あっはい、日々小説を書いてきた積み重ねです…あれ?あやりんは?」
竹乃 「私ももちろんA+だよ、学年に二人しかいなかったから、つい気になっちゃって……」
っと竹乃はちょっと照れたように魅せつけた。
朝木は少し照れてしまい、苦笑いで言った。
朝木 「そうなんですか…僕もう時間がきびしいので、お先に…」
っと竹乃の横から出て行こうとしたら……
「ドン!」っという音が響いた
竹乃は朝木を壁ドンした。
竹乃は目に少し涙が出てきて、弱々しく言った。
竹乃 「ごめん……りんたん……この前振っちゃって……」
朝木は驚いた、竹乃からの壁ドン、今までに見たこともない姿の竹乃、朝木は呆れてしまった。
朝木 「いや……べ……別に気にしてません……」
竹乃はまるで子どもがやらかしたように謝った。
竹乃 「怒らないで……りんたん、訳があったの……」
朝木 「うん?」
竹乃は泣きながら、可愛がってもらいたい彼女のように言った。
竹乃 「だって言ったじゃん……!私だけ見てよ……!他の女と喋るなよ…!改善するとこあるんだったら変えるよ……!」
朝木 「え?!」
竹乃はさらに無茶振りをして。
竹乃 「全部りんたんのせい!全部りんたんのせい!全部りんたんのせい!全部りんたんのせい!全部りんたんのせい!全部りんたんのせい!」
っと泣きながら言った。
朝木はとても申し訳なさそうに言った。
朝木 「ごめん……俺ってそんな酷いことしたんだ……やっぱ僕は竹乃さんに相応しくない男だから……」
しかしそれを聞いた竹乃は焦った。
竹乃 「違う!違う!りんたんは私と相性バッチリのカップルだよ!!お願い"竹乃さん"じゃなくて、"あやりん"って呼んでよ!!」
っと竹乃の目に涙がどんどん流れ出し、どんどん泣き始めた。
朝木もこんな姿の竹乃を見て焦ってしまった
朝木 「ちょっ?!竹乃さん!やめてください!!!!」
竹乃は泣きながら可愛がってもらいたいように言った。
竹乃 「お願い……もう一回チャンスをください……」
しかし本当に時間に厳しかった朝木は竹乃を推して、すぐさま逃げた。
朝木 「ごめん!竹乃さんまた今度話そ!」
そして少し落ち着いた竹乃はあることに気づいた。
竹乃 「さっき…りんたん私のこと…触ったよね?……」
竹乃の家系はとても裕福で、竹内の父が所持する全財産が一億円を超えるほどのお金持ちだ、
しかしそういう関係もあり、竹乃はクラスの人から嫉妬され、いじめていた……
《回想》竹乃がまだ11歳の頃だった。
竹乃はいじめられて泣きながら言った。
竹乃 「お願い……やめて……」
竹乃は先生があまりいない体育館の裏側でクラスの男子に殴られ、蹴られたりされてた。
男の子 「お前んちお金持ちだろ?お金くれよ!」
っと脅迫してきた。
竹乃 「今はありません……お願いやめて……痛いよ……」
男の子 「んなわけないだろ!」
っと思いっきり殴ろうとしたら、当てられた感覚がなかった。
竹乃 「あれ?」
っと目を開けると……自分を盾にして、竹乃を守っている朝木燐が現れた。
朝木 「いてぇなぁ……」
男の子 「はぁ?朝木、お前こいつのために俺に逆らうのか?」
しかし朝木は笑いながら言った。
朝木 「上等だ!……竹乃さんは早く逃げてください……」
っといい、竹乃はすぐに逃げた。
その後、朝木は満身創痍で、所々に絆創膏が付けられていた、いじめてた子は先生に怒られ、二度と竹乃へいじめることはなかった、
このことをきっかけにし、竹乃の心の中に「朝木燐」という人が残った。
《回想終了》
そして波瀾万丈の1日を終え、学校の帰り道に……
朝木 「はぁー疲れた、あんな竹乃さんのこと見たことないよ……」
?? 「朝木くん……」
っと可愛らしい声が朝木の耳に届いた、竹乃とは別格の声だ。
朝木 「うん?」
っと振り返ると、その人はレポートを書いていない日留川姫歌だった。
日留川 「A+のレポート……見せてくれない?」
っと何かを企んでるように言った。
朝木が渡すと、日留川は納得した。
日留川 「やっぱりだ…さすが小説家の朝木くん……」
「一緒に同居しない?」
朝木 「は?!」
日留川は小さい頃から両親が交通事故により亡くなり、今は政府の救助金でなんとか生きている人だ、
一方で朝木も幼少期に両親が離婚し、朝木は父さんへ行ったが、父さんも仕事のトラブルに巻き込まれ、亡くなった、
朝木も日留川も一人暮らしの孤独な人なのだ、だから日留川からそんな要求が出された。
朝木は呆れてしまった。
朝木 「ど……どういうことですか?」
日留川 「私も漫画家として作品を投稿しているけど、アイデアが古臭くて、全然バズらなかったの……」
「だから君の小説を漫画し、一緒にアニメ化を目指したい!」
日留川も少々朝木の作品を読んだし、とてもそのアイデアに惹かれた。
朝木 「べ……別に僕はいいんですけど…日留川さんは……」
日留川は嬉しそうに言った。
日留川 「私も気にしませんよ!うちの家は解体書が届いたから、朝木くんの家に泊まりたい……」
朝木は恥ずかしそうに言った。
朝木 「別にいいですけど……日留川さんがいいんだったら今日うちに来ましょう……」
日留川は笑顔で言った。
日留川 「うん!」
朝木の家はそんなに大きくはない、寝室一つ、洗顔所/トイレ一つ、シャワー風呂室一つ、リビング7㎡、キッチン一つ、朝木の家に着くと……
朝木 「日留川さん、なんか荷物とかありますか?家まで運びますよ?……」
すると日留川はあまり言いたくなさそうに、ゆっくりと言った。
日留川 「私の……荷物は、このカバンに入ってるもので全部なの……」
朝木は驚いた、日留川が背負っている、そこそこパンパンなバックに日留川の全ての荷物が入っているとは思ってもなかった。
朝木 「ごめん……痛いところ刺さったね……」
しかし日留川は再び笑顔に戻り
日留川 「いいよ〜全然気にしてないもん〜」
朝木も優しく微笑んだ。
朝木 「日留川さん、僕寝室を片付けるので、軽くシャワーを浴びたら寝室で作業や睡眠をとってください」
日留川は少し心配そうに言った。
日留川 「朝木くんは?……」
朝木 「僕はリビングで寝転んでいますよ!遠慮しないでください、その代わり精一杯頑張ってもらいますよ!」
日留川の目が少し赤くなった、日留川は今までにない幸福を感じた、そして朝木は寝室を片付け、日留川はシャワーを浴びた。
そろそろ夕食の時間になった。
朝木 「日留川さーん、夕食何食べたいですか?」
日留川 「え?夕食?私の分も作ってくれるの?」
朝木 「もちろんですよ!」
「せっかく僕の小説を漫画化してくれるんだったらそれぐらい返しますよ!逆に…」
「日留川さん夕食普段食べないんですか?」
日留川は普段の生活にお金が使うため、昼食の購買以外なんにも食べていなかったのだ、
購買も豪華な食事ができないため、友達と共有している、それぐらい日留川はお金がなかったのだ、
一方、朝木はもともと裕福な家庭だったため、しっかり1日3食は取れていた。
日留川はとても情けなさそうに言った。
日留川 「私は…ただ朝木くんと一緒にアニメ化する目的で来てるから…別に私の分はいいよ……」
しかしすると、日留川のお腹から
「ぐぅーぅーーーー」
っと鳴いた。
日留川の頬が少し赤くなり、恥ずかしそうに
日留川 「あっ!?」
朝木は優しく微笑んだ
朝木 「日留川さんの分まで作りますよ……何食べたいですか?」
日留川は少し恥ずかしく、申し訳なさそうに言った
日留川 「冬だから…暖かいものが食べたいな……」
朝木 「わかった!お粥でいいかな?」
日留川の鼻が少し酸っぱくなり、目が赤くなった。
日留川 「うん!ありがとう!!」
そして夕食ができた。
朝木 「日留川さーん!ご飯できたよー」
っと朝木は寝室へ近づいた、日留川は朝木の小説を読み返していた。
日留川 「ごめんごめん!今行く!!」
そしてテーブルの上に湯気があるお粥と、二皿のたくあんが乗せられた。
朝木 「うちもそんなに豪華な食事が取れないから、これで済んでください…」
日留川は嬉しそうに言った。
日留川 「うん!ありがとー!いただきまーす!!」
っと日留川は食べ始めた、朝木は思った、自分ですらお粥を嫌ってるのに、
"あの"学園のトップスターの日留川さんがこんな姿だったなんてと、朝木は……
「必ず日留川さんを幸せにする」
っと決意した
夕食を終え、朝木はシャワーを浴び、そろそろ就寝の時間になった。
朝木 「僕もうリビングで寝ますので、日留川さんも早く寝てください」
日留川は笑顔で言った。
日留川 「うん!おやすみ!」
朝木は何にもないリビングにそのまま寝転んだ、ソファも枕もなんもないため、心地良くはなかった。
この冷堅い床のせいと今日のいきなり学園のトップスターの日留川さんと同居、
今まで見たこともない竹乃の姿が脳内に浮かんで、あまり寝れなかった、
深夜2時、朝木が起きて、水を飲もうとすると……
朝木 「あれ?寝室のライトまだ光ってる?日留川さんまだ寝てないのか?」
っと朝木は静かに寝室へ向かった
朝木 「日留川さーん!まだ寝てないですか?」
っと尋ねると。
日留川はとても申し訳なさそうに言った。
日留川 「ごめんごめん!電気代もったいないね!今すぐ消すよ!」
朝木 「え?まだ漫画の作業をしてたんですか?」
日留川は朝木のキャラの初期原稿を描いてたのだ。
日留川は情けなさそうに言った。
日留川 「朝木くんが私にそんなに優しいことをしてくれたから…せめて1日でも早くアニメ化をしてほしいなって思って……」
すると、朝木は優しく叱った。
「日留川さんがいなくなったら、僕はもう小説を書きません!」
日留川は呆れた。
朝木 「日留川さんが体調を崩して、嫌な思いをするぐらいなら、僕はもう小説を書きません!」
っと優しく叱った。
しかし日留川はそれを幸福だと感じた、生まれてからこんなに優しく叱ってくれた人は一人もいなかった、日留川は目に涙が出てきた。
日留川 「うん……ごめんね、もう寝るよ!おやすみ!」
そしてようやく二人は眠ることができた。
次の日、土曜日のため朝木はアルバイトに出る、休日の朝木のルーティンは、アルバイト、小説、寝る、食べることしかなかった。
朝木 「日留川さん!僕はアルバイトに行ってきまーす」
日留川 「いってらっしゃーい」
そして朝木が出ると日留川は昨日の続きを描き始めた。
日留川 「今日は頑張って漫画第1巻の初稿を終わらせたいな……」
っと日留川はどんどんペンを動かした、日留川は昼食を食べることすら忘れて、漫画に没頭してたら、あっという間に夜になり、朝木が帰ってきた。
朝木 「ただいまー!」
日留川は笑顔で言った。
日留川 「おかえりー、今日漫画の第1巻の初稿まで書いたよー!」
朝木は驚いた
朝木 「はやっ!?昨日までまだキャラの初期原稿なのに?!」
日留川は褒めてもらいたいように言った。
日留川 「うんうん!」
朝木はとても嬉しそうに言った。
朝木 「ありがとうございます!これで"アニメ化"に向けて少し近くなりましたね!」
そして二人はそのまま順調に漫画を進め、時には朝木がアルバイトに行き、生活料金を補って、一週間が経った。
日留川 「朝木くーん!!漫画第3巻までついに完成しました!!!!」
朝木も興奮し始めた。
朝木 「ナイスー!!ありがとうございます!今日出版社へ行き、出版しましょう!」
日留川もとても嬉しそうに言った。
日留川 「うん!私行くよ!朝木くんはしばらく休んでて!」
っと言い残し日留川はすぐさま出て行った。
朝木 「日留川さんと一緒にいて…本当に良かったな……」
すると朝木は閃いた。
朝木 「日留川さんにプレゼントを買えばきっと喜ぶでしょ!」
っと思い、朝木はすぐさま近くのショッピングセンターへ向かった。
朝木 「最近アルバイトの給料が上がったから、ちょっと高級なやつを買えば、日留川さん絶対喜ぶ!」
朝木はぬいぐるみ屋の前に立った。
朝木 「いやー女の子はぬいぐるみに興味ありそうだけど、」
「日留川さんはお金に困っているから、ぬいぐるみを買うと余計心配がかかりそうなんだよな……」
朝木は日常用品店の前に立った。
朝木 「いやー確かに生活用品なら役に立ちそうだけど、もっとプレゼントとして、喜びそうなやつがいいな……」
そして朝木は文房具屋の前に立った。
朝木 「そうだ!ちょっと高級感のあるシャーペンをプレゼントすればきっと喜ぶし、」
「勉強の役にも立てる!日留川さんのシャーペン結構ボロボロだから、勉強だけでなく、様々なところで使える製図用シャーペンを買ってあげようかな……」
そして朝木は店の中へ入った。
店員 「いらっしゃいませー」
朝木 「すみません……おすすめの千円ぐらいの製図用シャーペンってありますか?」
店員 「製図用シャーペンなら、あちらのコースにあります、ぜひ値段ではなく、」
「自分の手で触ってみて、自分に合うペンを選んでください」
朝木 「わかりました、ありがとうございます……」
そして、製図用シャーペンのコーナーに辿り着いたら、とんでもない人物を見えた。
朝木は驚いた。
朝木 「竹乃さん!?」
そこにいるのは、ついこの前朝木を壁ドンした竹乃綾璃だ、
竹乃は大の文房具好きで、毎週日曜日に文房具屋さんでシャーペンを買うのが趣味だ。
竹乃は横にいる朝木を見えた。
竹乃 「あー!りんたんじゃん!」
朝木はとても気まずく苦笑いで言った。
朝木 「あぁ……竹乃さ……いや……あ……あやりん……」
しかし竹乃はまるでこの前とは別人のように笑顔で言った。
竹乃 「ごめんね…りんたん、この前は私が嫌な思いをしちゃったね……」
朝木はとても情けなく言った。
朝木 「僕も悪かった……時間に急いでつい押しちゃった……ごめん……」
竹乃はまったく気にしてなさそうに笑顔で言った。
竹乃 「いいよいいよ〜あれ?りんたんもシャーペン買いに来たの?」
「2本ぐらい好きなのプレゼントしようか〜?謝りとして!」
朝木 「いや…別に大丈夫です…」
竹乃は楽しそうに言った。
竹乃 「遠慮しないでよ〜ほらこれとかどう?」
っといい、竹乃から一本のシャーペンが渡された。
竹乃 「どう?触ってみて?」
朝木 「確かに……握りやすいな……」
竹乃 「じゃあ!これ買おうか!」
っと言い、会計に行こうとした。
朝木 「待て!竹乃さん!」
竹乃 「うん?」
朝木はあまり言いたくなさそうに言った。
朝木 「実はさぁ……今日シャーペンに買いに来たのは友達のプレゼントにあげるものなの……だから自分で買ってあげたい……」
竹乃の顔色が少し暗くなった。
竹乃 「プレゼントか……相手は男?女?」
朝木は竹乃が男女の趣味に合わせてプレゼントを考えてくれると思ってしまった。
朝木 「一応……女子なんですけど……」
っと言ったら竹乃の顔がさらに暗くなり、機嫌が悪くなって。
竹乃 「あっそ、じゃあ自分でじっくり選びな……」
っと言い残し、その場から去った。
朝木 「え?!僕なにかしちゃったかな?……」
結局朝木は1210円の大手シャーペン会社の人気シャーペンを買った。
朝木 「ただいまー」
家に帰った朝木はすぐさま日留川へ向かった
日留川 「おかえりー、漫画出版したよー」
朝木は嬉しそうに言った
朝木 「ありがとうございます!あの……実は……今日僕、日留川さんにプレゼントを買ってきたんですよね……」
日留川は驚いた。
日留川 「え?プレゼント?」
朝木 「はい……一応シャーペンを買ってきました……」
日留川の目が光った
日留川 「えー!!かっこいい!私にくれるの??」
朝木は少し笑って言った。
朝木 「はい……色々考えて、シャーペンを買ってきました…日留川さんがいつも使ってる0.3のシャーペンです……」
日留川 「ありがとー!!!!ほんと嬉しいよ!!」
すると、日留川が後ろの定価を見ると、思わずびっくりした。
日留川 「えー??!!センニヒャクジュウエン?!私にくれるの????」
「いやいや、こんな高価なものは貰えませんよ!」
朝木 「いやー日留川さんいつも僕のために、夜遅くまで漫画を書いてくれたので、絶対に受け取ってください……」
日留川 「うん!!ありがとう!!」
日留川の心の中に幸福が溢れ出した、日留川は生まれてから一度もプレゼントをもらったことがない、
こんなに高価な物をもらい、日留川の心には……
「朝木くんをどんな手を使っても必ず幸せな生活に送らせてやる!」
っと決意した。
そして次の日学校では……
朝木 「よし!漫画も出版したし、休み時間で少し小説の続きを考えるとするか……」
しかしすると、朝木の隣に一人が寄ってきた
?? 「昨日はごめんね……りんたん……」
朝木 「うっ?!」
振り返ると、その人は昨日機嫌が悪くなった竹乃綾璃だった。
竹乃 「昨日私のせいで嫌な気分になったね……ごめん……私が自分の情緒をコントロールできなかったせい……」
朝木は恥ずかしく言った。
朝木 「いや…別に竹乃さんのことを嫌っていません…昨日のことも全然気にしてません……」
竹乃はまるで泣きそうになって、お願いをした。
竹乃 「お願い…私のことを…… "あやりん"って呼んでよ……」
すると、授業のチャイムが鳴り、竹乃は悲しいまま、席に戻った……
朝木 「(心の中で)はぁーどうにかして"昔"の竹乃さんに戻れないのかな…」
そして授業が終わると、朝木はとある場所へ行った。
朝木 「(心の中で)体育館裏側か……今日なぜかクラスの石魔くんに行けっていわれたんだよね……」
そして、体育館裏側に着くと…
石魔 「よくきてくれたな……朝木……」
なにか妙な空気になった、嫌な予感をした朝木は言った。
朝木 「用があるなら早く言ってください……」
すると、石魔は朝木の近くへ言った。
石魔 「朝木はいいなー…竹乃さんに好かれて……」
そう言われると朝木は気づいた、石魔はかつて竹乃に大きな愛情を持っていたが、
告白したら酷く断れた。
すると石魔は朝木の腹部に膝を蹴った。
朝木 「あー!」
朝木は倒れた…
朝木 「なにをするんですか?石魔くん……」
石魔はとても気分が悪い。
石魔 「俺の名前を呼ぶな……調子に乗んな……竹乃さんに好かれているのに、」
「散々断って……俺だったらもう付き合ってんだよ!」
っと言い、石魔は朝木のことを蹴り始めた。
朝木 「痛い!!!!やめて!!」
石魔 「まじで調子に乗んな!なんで竹乃さんはお前なんかを好きになってんだよ!!!」
石魔の蹴りはさらに痛くなった。
朝木 「痛い……」
っと朝木は小さな声で言った、朝木はどんどん涙が出てきた……
石魔 「泣くな!このくそ!」
っと石魔が朝木の頭を蹴ろうとしたら……
「やめろ……」
朝木、石魔 「な?!」
来たのは竹乃綾璃だ…
石魔 「竹乃さん……」
竹乃は二人に近づきながら言った。
竹乃 「私の好きな人に何をするんですか?」
っと機嫌が悪いような声だったが、笑っている……いや、顔だけ笑顔だった……
石魔は言い訳を言っているように言った。
石魔 「竹乃さん!なんでこんなやつを好きになるんですか?小説しか心にねぇ所詮クズなんですよ!」
しかしそれを言った瞬間、竹乃は足をあげ、石魔の頭に蹴った。
「パーーーん」
っと女子とはありえないほどの声が鳴り、石魔は倒れた……
竹乃は変わらず笑顔だが、次の瞬間で爆発しそうな爆弾のように見えた。
竹乃 「クズ?じゃあお前はなに?」
石魔 「痛い…」
そして竹乃は再び頭に向かって蹴った。
「パーーーン」
石魔 「あー!!!!!」
竹乃は優しそうな笑顔で言ったが、顔色はとても悪い。
竹乃 「お前みたいなブサイクは嫌い…りんたんをバカして、」
「いじめたりする奴はこの世から消えてもらいたい……」
すると、石魔はなんとか立ち上がって、陸上部部長でもある石魔は竹乃が追いつけないほどのスピードで逃げた。
朝木は呆れた、こんな力強いキックは本当に数年前にいじめられていた"竹乃さん"なのか?
竹乃は倒れてた朝木を軽く抱きしめ、さっきの力強い人から一気に弱々そうな人に変わり、優しく心配そうに言った。
竹乃 「りんたん痛かったね…一緒に保健室行く?」
朝木 「あ……は……は……はい……」
朝木は本当に怖くなってきた、数年前に朝木が竹乃を救った時とは全く違う感覚だった。
そして、竹乃は朝木と肩を組んで、ゆっくり保健室へ行った、その後無事回復ができ、
石魔は学校から呼び出され、停学処分が下された、しかし、喧嘩ごときで停学にはなれるわけがない、竹乃の親がそれをやったのだ……
そして家に帰った朝木はいつもの「ただいまー」が言えなくなった。
日留川 「あれ?朝木くん帰ってきたの?」
日留川は朝木のケガをみて驚いた。
日留川 「あら!どうしたの?」
朝木は頑張って笑顔を作り出した。
朝木 「いやー転けてしまって……」
日留川の目は少し涙が出てきて、静かに言った。
日留川 「ちゃんと気をつけてよ……」
こんなに自分のことを心配している日留川をみて朝木も嬉しくなった。
朝木 「ありがとう……日留川さん……」
そして次の日学校に向かう途中……
白凪 「まじか?!あの石魔が退学したなんて……」
朝木 「うん……」
白凪はとても驚いた。
白凪 「まぁあんな野郎はいてもいらなくてもいいけどね、俺にとっては……」
学校に着くと、朝木は椅子に座り、小説の続きを考えようとしてるとき……
朝木 「あれ?そう言えば日留川さんまだ来てないな〜先に用事があるとか言って、後から来るとか言ってたけど……」
そして教室のドアから一人の姿が走ってきた。
日留川 「危ない危ない…後ちょっとで遅刻だ……」
朝木 「日留川さんどこ行ってたんですか?」
そして日留川は嬉しそうに笑顔で言った。
日留川 「ビックナイスニュースだよ!」
朝木も気になってきた。
朝木 「なになに?!」
日留川 「実はこの前出版した漫画……めっちゃ人気がでした!!!!」
朝木も興奮し始めた。
朝木 「ナイスー!!!」
日留川 「第一巻だけで三万本売れたよ!!」
朝木 「よっしゃー!!!!"アニメ化"に近づきましたね!」
日留川 「この前調べたけどさぁ、漫画が売れれば次にスポンサーを探さなければならないらしい……」
朝木も少し落ち着いた。
朝木 「そうだね……まぁ!また今度それを話そう!」
日留川 「うん!」
そして日留川が教室に出ると、朝木は学校の自動販売機へ向かい、ジュースを買おうとしている。
朝木 「せっかく売れたし、今日だけ贅沢するか……」
朝木は自動販売機で値段100円のオレンジジュースを買った。
「ドドン!」
っとジュースが落ちてきた。
朝木 「飲むか……」
竹乃 「りんたん……」
っと隣から声が届いた。
朝木 「あっ!竹……あやりん……」
竹乃の顔色はあまり良くない、しかし頑張って作った笑顔で朝木を迎えた。
竹乃 「話があるの……ちょっと来てくれない?」
朝木 「はい……わかりました……」
っと竹乃は朝木を連れて、人がいないフリー教室に着いた。
朝木 「話ってなんですか?……」
すると、竹乃はある紙を出した…
朝木 「余命……一ヶ月?!竹乃綾璃?!」
それは死亡率が非常に高いすい臓のガンだった、病院にいき、気づいたら余命がこんなにも少なくなっていた……
朝木 「バカな?!?!あやりんが?!」
竹乃は静かに微笑んで言った
竹乃 「心配しなくていいよ、りんたん、これを知らされた時、父から7000万円をもらい、余命を楽しめって言われたよ……」
朝木はとても焦って怖くて、どうしようもなかった。
朝木 「僕にできることはあるか??!」
すると、竹乃は笑顔で言った。
竹乃 「りんたんアニメ化したいよね?」
朝木 「え?!!」
「私がスポンサーになってやりますよ……」
朝木は驚いた。
朝木 「ちょっ!や……やめてください!"僕のため"ではなく、あやりんが好きなことをすればいいんだよ!」
竹乃は意味深い笑顔で言った。
竹乃 「りんたんが好きなことは私の好きなこと、」
「今までしつこく着いてきてごめん、最後に罪を償わせてください……」
っと竹乃は静かに頭を下げた。
朝木 「あやりん…」
朝木も静かに頭を下げ、静かに泣いた……
そして放課後、朝木は竹乃を自宅まで連れて行って、日留川に事情を伝えた。
日留川 「え?!竹乃さん…」
竹乃 「心配はしなくていいですよ、それより、早速私問い合わせに行くので、待っててください」
っと言い、朝木を連れてアニメ化するためにテレビ局へ行った。
日留川 「朝木くんのことをそんなに好きなんだ……本当にアニメ化できると思うと嬉しいけど、なんだか……盛り上げれない?……」
そして二人が帰ると……
朝木 「ただいまー」
竹乃 「無事にアニメ化できたよ…再来年の4月にできるらしい」
朝木の顔は暗かった
朝木 「あやりんの家系とあやりんの7000万の資金のおかげ……」
しかし竹乃は普段通りの笑顔で言った。
竹乃 「なんでもないよ!りんたんが喜べばいい!私のおかげよりも、二人の努力の成果だよ!」
日留川 「早い……アニメ化するのにもっと時間がかかると思ったのに……」
朝木は少し嬉しくなった。
朝木 「そう言えば漫画の方ではもうすでに十万本以上売れている……」
竹乃は笑顔で言った。
竹乃 「よかったね!」
竹乃は嬉しかった、大好きな人が自分のおかげで夢が叶ったことに嬉しかった、
しかし日留川と朝木は暗かった、別に自分の作品がいきなり他人にアニメ化するのが嫌だったのではなく、
余命が少ないのにも関わらず、自分達のアニメ化のために資金を使ったのが情けなかったのだ。
竹乃はこの暗い雰囲気を変えようとした。
竹乃 「もー!!二人は暗いなーせっかくアニメ化決定したなら、今日は楽しくパーティーでもやんない?」
朝木は頑張って機嫌を戻そうとした、竹乃がしてくれたことは決して楽しくないことにはしたくはなかった。
朝木 「そうだね……」
そして三人は夜になって、パーティーを開いて、食べて、飲んで、喋ったりして、まるで竹乃のガンがあたかもなくなったのように……
竹乃も父の許可を得て、今日から朝木と同居が始まった、日留川と同じベットで寝ることになった。
そしてアニメ化を待つ二人、静かに死を迎える一人、とある日……
「ぴーーんポーン」
誰かが来た。
竹乃 「はーい」
っとドアを開けた。
星方 「すみません…テレビ局から来ました、星方内佐(ほしがたないすけ)です……」
竹乃 「はい……?」
星方 「この前、朝木様の漫画がアニメ化されたことで、アニメ化の今の進捗を伝えに来ました、」
「しばらくの間、私は朝木さんと長期の連絡を取る必要がありまして……」
竹乃 「わかりました……」
そして、竹乃は朝木を呼んだ。
竹乃 「りんたーん!テレビ局の人だよー!」
朝木 「おけおけ!今行く!」
そして朝木は星方と連絡先を交換した、部屋に戻った朝木は日留川から聞かれた。
日留川 「どう?今の進捗?」
朝木 「割と進んでいるらしい……」
すると部屋から竹乃が入ってきた。
竹乃 「ごめん、なんか突然父からこっち来てって言われたから今ちょっと出る!」
朝木、日留川 「おっけー!」
竹乃が家を出た。
日留川 「なんかさぁ……」
朝木 「うん?」
日留川 「私が同居してからずっとお互い"日留川さん"とか"朝木くん"とか言ってるけど、もうあだ名で呼ばない?」
朝木は少し楽しくなった。
朝木 「確かに!!じゃあ僕のことを"りんたん"って読んでよ!」
日留川 「うんうん!おけおけ!じゃあ私のことを"姫歌ちゃん"って読んで!」
朝木は少し興奮した、なぜなら人にあだ名で呼ぶことがなぜか趣味だから。
朝木 「うん!おけー!」
一方で、竹乃では…
竹乃 「え?!誤診??!!」
竹乃の父 「あぁそうだ…医者さんが間違えてたらしい、よかったな……綾璃……」
竹乃 「え〜?!!!」
竹乃の父 「綾璃の好きな人にアニメ化させたことは知ってるよ、父さんは応援するよ……」
竹乃は感動した。
竹乃 「ありがとう……父さん」
竹乃の父 「君もそろそろ大人になるから、お前らの同居を認めたぞ……」
竹乃 「うん!ありがとう父さん!」
竹乃の父は優しく笑った。
竹乃の父 「ふん、どうせどっかの貴公子と無理やり結婚させてもお前に憎まれるだけだしね……」
竹乃も笑った。
竹乃 「へへぇーありがとう!父さん!」
そして、"この"いいニュースを持って、すぐに日留川と朝木の元へ行った。
竹乃 「りんたん!!!私のガン…誤診だったらしい」
朝木、日留川 「まじで?!!よかったね!」
っと朝木と日留川は相性よく、大きな声で祝福した。
朝木は少し涙が出てきた。
朝木 「よかったよ〜あやりーん!」
日留川も少し涙が出てきた。
日留川 「よかったね〜竹乃さん…」
竹乃はからかいのように言った
竹乃 「泣いてる?私のためにか??」
朝木は本当に泣いた。
朝木 「当たり前でしょ!ほら、これからは"私たちの"アニメを一緒に見よう!」
竹乃も少し泣いた。
竹乃 「うん!!」
そして二年後、大学生になった三人の4月、ついにアニメ化し、テレビに映った。
日留川と朝木は泣いた。
朝木 「今までやってきて本当によかった…」
日留川 「うん!私も……りんたんと一緒にやってきて本当に良かった……人生で一番楽しかった!」
竹乃もそばで静かに泣いた、静かに言った。
竹乃 「よかった…」
そして次の日、学校で自慢してやろうと思った朝木は普段よりも早く起きた。
朝木 「あれ?姫歌ちゃんは?」
日留川がいなかった。
竹乃も起きた。
竹乃 「あれ?日留川さんまだ帰ってきてないの?」
朝木 「え?」
竹乃 「昨日の夜、途中で起きてきて、"海に行ってくる"とか言ってたけど……」
「私は気にせずに寝てしまった…」
すると、朝木は隣の紙を見つけた。
朝木 「な?!」
紙の内容は「朝木燐、竹乃綾璃さんへ、この手紙を読んでいるあなた達、私は今きっと海の景色を見ているだろう、なぜ海に行くのかというと……りんたん……ごめん……私が描いたりんたんの漫画全てクローゼットの中に入れたよ……」
「竹乃さんと幸せでいてね!」
朝木は驚いた
朝木 「なに?!」
竹乃も手紙の内容を見てしまった。
朝木 「海…まさか?!!」
竹乃 「早く海に行きましょう」
っと二人はタクシーを呼び、すぐに海へ行った、そして着くと、向こうに日留川の姿があった。
朝木 「姫歌ちゃん何をしてるんですか??そこ危ないですよ!!!」
日留川は振り返って意味深い笑顔で言った。
日留川 「りんたん…君と一緒にいたこの数年間…本当に楽しかったよ!……」
朝木は泣いた、焦りながら言った。
朝木 「姫歌!そこ危ないよ!!」
日留川 「私と一緒にいる以上、裕福な生活はできない……りんたんは竹乃さんと結婚するべきだよ……」
日留川は朝木に裕福で楽しい生活を送って欲しかった。
竹乃 「日留川!!何を言っている?!」
朝木 「お願いだから、姫歌!ここに来て!」
日留川も泣きながら、頑張って笑顔を作った。
日留川 「りんたんからもらった優しさ…ありがとう…人生に悔いはなかった!」
朝木は喉を壊すように大きな声で叫んだ。
朝木 「やめて!!!姫歌ぁ!!!」
「あなたと一緒にいるハルこそが一番キレイなんだよ!!!!」
しかし、日留川は自身のポケットからガラスの破片のようなものを取り出し、喉に刺さった。
朝木 「姫歌ぁ!!!!!!!!!!!」
朝木と竹乃は大泣きをした、自分と長年一緒にいたコンビが自分の幸せのために命を絶った……
次の日、竹乃は気持ちが落ち込んでいる朝木に話をかけた。
竹乃 「私もりんたんのことが好きだけど……りんたんが私のことを嫌うなら、私は無茶をさせないよ……」
朝木はいつのまにか日留川のことが好きになった、しかし、日留川の思いでもあり、
竹乃を二人目の日留川にもさせたくなかった、そして、朝木と竹乃は日留川の望む通り、結婚し、アニメも大成功し、裕福な生活を送ることができた。
しかし朝木は二度と小説を書かなくなった、いや、"書けなくなった"
アニメ化した漫画は、廃墟に捨てられた男の子と女の子がいて、二人が生きるためにお互い助け合い、
大人になることができ、二人も幸せに結婚し、貧困だけど幸せな生活を送ることができたという物語。
そのアニメの名前は
「あなたのハルがキレイ」
あなたのハルがキレイ 雪方ハヤ(fengA) @fengAsensei
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