青髭男爵

青髭男爵

きれいでもないのに

誘ってくれるから

そのちょっと掠れた響く声で

誘ってくれるから

嬉しくて行ってしまうの

何度目かのパーティ

銀のドレスの娘

金の髪飾りの娘

私はせいぜいとっときの

ひとつぶダイヤの首飾り

そこだけ自慢の

足首見せるハイヒール

青髭男爵の内緒のパーティ

ご主人がいても秘密守れるなら

誘ってくれる　あの声で

林檎酒　葡萄酒　柚子蜜酒

クリームのパイ　氷菓子

でも帰らなきゃだから

酔いすぎちゃ駄目

青髭男爵の青髭に

触れられるのはひとりだけ

青髭男爵からの暗号は

今夜は『紫色のカクテル』

もちろん選択権はある

でも“後ほど”に

地下室に繋がれるという噂もある

選択権はあなたに

さて

どうしよう

青髭男爵の内緒のパーティ

『紫のカクテル』は他の誰かに

ああ助かったって言いながら

自慢のヒールで小石を蹴って

帰らなきゃね

いつか選ばれてみたいけど

青髭男爵の秘密のパーティ

帰らなきゃね

いつか選ばれた時は

青髭をもてあそんでみたい