第3話
失敗の原因を、分析します。
折れたのは、あぶりかたが足りないのか。
ちからの入れすぎか。
燃えたのは、火に近すぎるからか。
あぶる時間が、長すぎるからか。
要因は、いろいろと考えられます。
いずれにしても、
これらを正確に把握し、克服するのは、
難儀なことです。
ここで、私の心の中に【カメ仙人】が現れて、
言いました。
『おろかものよ、なにごとも、おおもとが、大事じゃろうが』
ガーン、ガニガニ、ニャルガクルガ!
と、頭の中で、音がしたような気がします。
これは、
システム開発的障害対策ルーチンの発動合図です。
折れる、燃える、障害を起こらないようにするには?
まず、考えるのは、直接の原因究明。(始めに上げた項目です)
しかし、その前に、おおもと を考えること。
なぜ、曲げるのか?
曲げる工程が無ければ、
折れもしないし、燃えることもない。
茶杓の機能は、茶をすくえればよい、訳で。
そしたら、
はじめから曲がっている材料を、使えば良いでしょう。
まさに、その通りです。
はて、曲がっている材料は、竹にあるでしょうか?
しばし、考えます。
ポク ポク ポク ポク
チーン
整いました。
竹のフシと枝を使えば、よろしいでしょう
枝の出るところには、必ずフシがあるのです。
これを使いましょう。
いそいそと、家裏の竹林に赴き、
直径3センチ程の竹を切ります。
枝の部分を見ると、想像通り。
うまい材料がとれそうです。
必要な部分を切り出し、加工に移ります。
油抜きは、部品が小さいので、
鍋に湯を沸かして、行います。
湿気を飛ばす為、電子レンジに10秒程かけます。
あとは、ナイフで形を整えて、
やすりで磨いて、
軽く水洗いして、拭き取り。
出来上がりました。
さっそく使ってみます。
抹茶が手元に無かったので、
片栗粉をすくってみます。
うまくいきました。
と、ここで、すくう面が広いので
煎茶も、すくえるのではないかぁ
と思い、やってみました。
お見事、救えました。
抹茶、煎茶兼用の茶杓が完成しました。
めでたし、めでたし。
我ながら、よく出来たものだ。
と、ひとり悦に入っていると、
ガーン ガニ ガニ!
よく見ると、歯ブラシに似ています。
これにハケをつけたら、どうなる?
新たなる野望が、フツフツと、
湧き上がるのである。
竹小僧から、始めよう Hogero @Hogero
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